SIPRNetとは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > 百科事典 > SIPRNetの意味・解説 

SIPRNet

(Secret Internet Protocol Router Network から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/02/23 01:47 UTC 版)

ナビゲーションに移動 検索に移動
米国務省の非機密扱いの電文のヘッダ部。"SIPDIS" というタグを赤で囲っている。

SIPRNet (Secret Internet Protocol Router Network) は、「アメリカ国防総省国務省が使用するコンピュータネットワーク群を相互接続したシステムであり、TCP/IPプロトコルを使ったパケット交換および「完全にセキュアな (completely secure)」環境で機密扱いの情報(SECRETに分類される情報まで)を転送する」[1]

ハイパーテキスト型の文書アクセスや電子メールといったサービスも提供している。つまり、SIPRNet は一般のインターネットの国防総省の機密版に相当する。

SIPRNetは Defense Information Systems Network の機密部分である[2]

アクセス

SIPRNET、GWAN、NSANETJWICSへのアクセスをする端末を備えたセキュアな通信センター

米国務省の Web Development Handbook によれば、ドメイン階層やドメイン名の付け方は基本的に通常のインターネットと同じだが、セカンドレベルドメインが追加されていて、例えば state と gov の間に "sgov" を追加して openforum.state.sgov.gov などとする[3]。SIPRNetが発信元のファイルにはヘッダタグとして "SIPDIS" (SIPrnet DIStribution) を明記する[4]。国防総省の利用者向けの同様のセカンドレベルドメインとして smil.mil がある[5]

ペンタゴンによれば、SIPRNetには約50万人のユーザーがいる[6]。「オーストラリア、カナダ、イギリス、ニュージーランドといった一部の信頼できる同盟国」からのアクセスも可能である[7]

ウィキリークスでの「イラク戦争の民間人殺傷動画公開事件」で使われた動画をリークしたと言われているチェルシー・マニングは、SIPRNetにもアクセスしていた[8]。また同じく2010年11月のアメリカ外交公電ウィキリークス流出事件もマニングがSIPRNetから情報を入手したものとされている[9]

脚注・出典

  1. ^ 2005 Defense Base Closure and Realignment Commission Report: Fort Monmouth, New Jersey Recommendation # 5”. U.S. Department of Defense (2007年12月28日). 2010年12月17日閲覧。
  2. ^ Secret Internet Protocol Router Network (SIPRNET)”. Federation of American Scientists' Intelligence Resource Program. 2010年12月12日閲覧。
  3. ^ U.S. Department of State Foreign Affairs Handbook Volume 5 Handbook 8 - Web Development Handbook: 5 FAH-8 H-342.2 ClassNet Standards”. U.S. Department of State (2005年9月29日). 2010年12月15日閲覧。
  4. ^ Siprnet: Where the leaked cables came from”. BBC (2010年11月29日). 2010年12月19日閲覧。
  5. ^ Grimes, John G. (2008年4月14日). “Internet Domain Name Use and Approval”. Department of Defense. 2012年2月17日閲覧。
  6. ^ Weinberger, Sharon (2010年12月1日). “What Is SIPRNet?”. Popular Mechanics. http://www.popularmechanics.com/technology/how-to/computer-security/what-is-siprnet-and-wikileaks-4085507 2010年12月28日閲覧。 
  7. ^ Field, Michael (2010年12月2日). “NZ way down the WikiLeaks queue”. Fairfax New Zealand. http://www.stuff.co.nz/national/4415037/NZ-way-down-the-WikiLeaks-queue 2010年12月17日閲覧。 
  8. ^ Poulsen, Kevin; Zetter, Kim (2010年6月6日). “U.S. Intelligence Analyst Arrested in Wikileaks Video Probe”. Wired. http://www.wired.com/threatlevel/2010/06/leak/ 2010年6月15日閲覧。 
  9. ^ Leigh, David (2010年11月28日). “US embassy cables leak sparks global diplomacy crisis”. The Guardian. http://www.guardian.co.uk/world/2010/nov/28/us-embassy-cable-leak-diplomacy-crisis 2010年11月28日閲覧。 

関連項目

外部リンク



このページでは「ウィキペディア」からSIPRNetを検索した結果を表示しています。
Weblioに収録されているすべての辞書からSIPRNetを検索する場合は、下記のリンクをクリックしてください。
 全ての辞書からSIPRNet を検索

英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「SIPRNet」の関連用語

SIPRNetのお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



SIPRNetのページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのSIPRNet (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS