Proxmox VE (仮想化プラットフォーム)とは? わかりやすく解説

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Proxmox VE (仮想化プラットフォーム)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/03/27 16:00 UTC 版)

Proxmox VE
作者 Proxmox Server Solutions GmbH
最新版
8.1[1]  / 23 11月 2023
リポジトリ
ライセンス AGPL 3.0
公式サイト www.proxmox.com/en/proxmox-ve 
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Proxmox VE (Proxmox Virtual Environment, PVE)はDebianベースのオープンソース仮想化プラットフォームの操作と管理のためのWebインターフェースを持つ仮想アプライアンスである。基本的には仮想化に特化したLinuxディストリビューションであるが、それであることを見せずに集中管理環境として使用するシステムとして提供されることに特徴がある。また、管理にWebインターフェースを使用していることから、Citrix XenやVMware ESXiの環境に似ている。Proxmox VEのバージョン2.2で、Linuxの2.6.32に基づいて動作するKVMベースのゲストとLinuxをベースのコンテナOpenVZの両方をサポートしていたが、OpenVZのサポートはProxmox VEのバージョン3.4で終了することがアナウンス[2]され、代わりにLXCが利用できる[3]。ブータブルCD-ROMを使用して、PC(X86-64 bit AMD-VもしくはIntel VT装備)にインストールできる。Proxmox VEはProxmoxサーバソリューション社(ウィーン、AT)が開発[4]

ハイパーバイザー

KVM

完全仮想化: KVM(Kernel-based Virtual Machine)は、仮想化機構(Intel VTかAMD-V CPUを必要とする)を 備えたx86ハードウエアで実現できる完全仮想化のソリューションである。各々の仮想マシンは、ネットワークカード、ディスク、グラフィックアダプター、その他の専用の仮想化ハードウエアを持つ。KVMは、XENに似ているがLinuxの一部であり、Linux標準のスケジューラとメモリ管理を利用する。 また、KVMはWindows 2000, Windows XP, Windows Vista, Windows Server 2003, Windows Server 2008のようなWindowsオペレーティングシステムを含むOSに適合している。 詳細はKVMを参照。

準仮想化: KVMはI/Oのパフォーマンスを向上させるための準仮想化をサポートしている。 詳細はKVM を参照。

OpenVZ

OpenVZはLinux を実行しているサーバでよく使用される技術である。OpenVZはLinux のコンテナベースの仮想化である。OpenVZは安全で分離されたコンテナ( CT,VE,VPS とも)である。各々のコンテナは通常のサーバのように実行可能である。すなわち、コンテナは独立した状態で再起動でき、ユーザ、IPアドレス、メモリ、プロセス、ファイル、アプリケーション、システムライブラリ、設定ファイルに完全にアクセスできる。現在、OpenVZベースの専用機器は商用段階。詳細はOpenVZを参照。

操作

基本的にProxmox VE は標準 CD-ROM を使って互換性のあるコンピューターにインストールされる。

インストールプログラムは全てのインストール過程をほぼ自動的に行い、コンピューターのエントリディスクの全てを使用する。

このことは Proxmox VE Wiki[5] にも記載されている。wikiではビデオチュートリアルとともに FAQ, HOWTO,その他のドキュメントを閲覧可能になっている。Proxmox VEは元となるDebianがサポートするハードウエアに対応可能。

IP アドレスやネットワークカードの設定は独特のものがあるが、Web インターフェースが備わっているため運用にはそれほど多くの知識は必要ないとされる。

基本的な構成(独自の IP インターフェース設定)はコンソールを使用して、直接テキストベースのメニューで設定できるようになっている。

実際は全ての管理は Web インターフェースで行えるが、 ssh 経由のコンソールも使用可能である。

PVE は Debian ベースなのでGNOMEKDEなどを導入して、ワークステーションにもできる。このようにして、ハイパーバイザーと管理サーバーを兼用してエコシステムを構築可能。

また、PVE はクラスタリング機能も持っていて、複数のハイパーバイザーのクラスター構成もでき、DRBDを構成することも可能。

安全性

Proxmox VE ディストリビューションは定期的にアップデートされており、最新のバージョンもダウンロード可能。パッケージングと構築はDebian システムの APTによって実施される。

最近のバージョンアップ

Proxmox VE 4.0

  Debian version 8.2 のベースに更新
  bash補完のサポート
  IPv6のサポート
  LXCのサポート(OpenVZの廃止)
  細かい改良
  バグフィックス

Proxmox VE 3.4

  Debian version 7.8 のベースに更新
  ZFSのサポート
  細かい改良
  バグフィックス  

Proxmox VE 3.3

  Debian version 7.6 のベースに更新
  セキュリティを強化 (Proxmox VE ファイアーウォール、二要素認証)
  HTML5コンソールの追加
  モバイルタッチインターフェースのサポート
  バグフィックス  

Proxmox VE 3.2

  Debian version 7.4 のベースに更新
  サポートの追加 (Open vSwitch)
  デフォルトのパーティションレイアウトをGPTへ変更
  バグフィックス

Proxmox VE 3.1

  Debian version 7.1 のベースに更新
  サポートの追加 (SPICEプロトコル、glusterfs)
  バグフィックス

Proxmox VE 3.0

  Debian version 7.0 のベースに更新
  新しいVMクローン作成機能、新しいイベント駆動APIサーバの実装、bootlogdのサポート
  バグフィックス

Proxmox VE 2.2

  Debian version 6.0.6 のベースに更新
  ライブ スナップショット サポート (qcow2)
  バグフィックス

Proxmox VE 2.1

  GUI 改良
  バグフィックス

Proxmox VE 2.0

  完全に新規のGUIに更新
  Debian 6.0 Squeeze をベース
  Linux 2.6.32 Kernel

参照

Weblinks

ノートおよび参照

  1. ^ Proxmox Virtual Environment 8.1 with Software-Defined Network and Secure Boot” (23 11月 2023). 23 11月 2023閲覧。
  2. ^ OpenVZ - Proxmox VE”. pve.proxmox.com. 2022年12月1日閲覧。
  3. ^ Linux Container - Proxmox VE”. pve.proxmox.com. 2022年12月1日閲覧。
  4. ^ Proxmox Server Solutions GmbH (Wien, AT)
  5. ^ Wiki der Proxmox-VE-Projekts

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