パップスの六角形定理



アフィン形式で、ある座標設定でのパップスの定理が証明されれば、それを適当に射影することで、一般のパップスの定理を証明できる。
アフィン平面では
アフィン形式の小定理で得る点

パップスの定理の他の主張


3つの共点線AB,AG,ADがあって、JB,JEがJで交わっている。またKLはAZと平行である。このとき
- KJ : JL :: (KJ : AG & AG : JL) :: (JD : GD & BG : JB).
である。これらは今日、等式として次の様に表される[14]。
- KJ/JL = (KJ/AG)(AG/JL) = (JD/GD)(BG/JB).
最右辺 ( JD : GD と BG : JBの積) は、共線点J, G, D, Bに対して複比として知られるもので、(J, G; D, B)とも書かれる。つまりAで交わる3線のうち、JDの取り方は複比と無関係であることが示された。
- (J, G; D, B) = (J, Z; H, E).
直線JEがAを通るどの辺(直線)にあたるかは重要ではない。特に図を変えれば、以下の様になることもある(補題X) 。
先述のように(J, G; D, B) = (J, Z; H, E)である。パップスはこれを証明しなかったが、 補題Xはこの構図の逆「2つの複比が等しく図の様にBE,DHがAで交わるとすれば、点G,A,Zは共線である」を表している。
JK,AGが交わらない場合は複比を (J, ∞; K, L) = (J, G; D, B)の様に書くことができる。パップスはこれを補題XIで示している。
当時の記法ではDE.ZH : EZ.HD :: GB : BEとなるが、これは
- (D, Z; E, H) = (∞, B; E, G).
という表現に等しい。
次の図は補題XIIである。
この図は補題XIIIと意味する所は同じだがBA,DGが辺の延長にある点Nで交わっている。どのような場合でも、Gを通る直線がAを通る直線と交わっているとすれば (そして複比の不変性を利用すれば)、補題IIIとXIを次のように得る。
- (G, J; E, H) = (G, D; ∞ Z).
Dを通る直線がBを通る直線と交わっているとすれば、
- (L, D; E, K) = (G, D; ∞ Z).
を得る。したがって(E, H; J, G) = (E, K; D, L)である。また補題Xより、H,M,Kは共線である。これは、六角形ADEGBZの主対角線の交点の共線を表している。
補題XVとXVIIは、直線HK,BGの交点をMとして、A,M,Gの共線を示している。これは六角形BEKHZGの主対角線の交点の共線を示している。
関連項目
出典
- ^ 細川藤右衛門『射影幾何学』岩波書店、1943年、89頁。doi:10.11501/1063403。
- ^ 『近世幾何学 (帝国百科全書 ; 第179編)』藤田外次郎、1908年、150頁。doi:10.11501/828609。
- ^ a b Coxeter 1969, pp. 236–7
- ^ Rolf Lingenberg: Grundlagen der Geometrie, BI-Taschenbuch, 1969, p. 93
- ^ ただし、
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