O3b (人工衛星)とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > 百科事典 > O3b (人工衛星)の意味・解説 

O3b (人工衛星)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/03/12 20:55 UTC 版)

ナビゲーションに移動 検索に移動
O3b衛星コンステレーション
赤道周辺でのO3b衛星群のカバーエリアと可視性の図
所属 O3bネットワーク英語版
目的 通信衛星
初打ち上げ 2013年6月25日 (2013-06-25)
質量 700 kg
周回対象 地球周回軌道
軌道 中軌道
近点高度 (hp) 8063 km
離心率 (e) 円軌道
軌道周期 (P) 6時間
テンプレートを表示

O3b衛星コンステレーション(英語: O3b Satellite Constellation)は通信と遠隔地からのデータバックホール英語版のために構築された衛星コンステレーション。2013年6月25日に最初の4期の衛星が打ち上げられ、2014年には更に8機が打ち上げられた[1]。20機まで拡大する計画がある[2]

O3bネットワーク英語版が衛星群を保有しており、2014年3月に運用提供を開始した[3]

衛星

衛星は8063kmの赤道上の中軌道に展開されており、当初は時速18,920km程度の速度で一日に地球を5周していた[4]。衛星群は現在軌道上で運用されており、4機ずつ打ち上げられた12基の衛星からなる。最初の4機の衛星の打ち上げのコンポーネント問題から、この4機のうち2機は予備のためのスタンバイ状態に置かれており、合計10機が運用中である[5]

それぞれの衛星は12基の操作可能なKaバンドアンテナを持ち、このうち2基はゲートウェイ用、10基は遠隔操作用である。帯域は4.3GHz(一基あたり2×216MHz)で、一基あたり1.2ギガビット秒のスループット(方角あたり600メガビット秒)で[6]合計容量は衛星一機あたり12ギガビット秒である。それぞれのアンテナの受信可能範囲はおおよそ直径700kmである[7]。O3bは音声通信の送受信の単方向レイテンシで179ミリ秒のレイテンシ、データ通信の端末相互間の往復レイテンシが238ミリ秒としている。TCP接続あたりの最大スループットは2.1 Mビット/秒[8]。O3bは海事用のソフトウェア向けで、130ミリ秒のラウンドトリップレイテンシと500 Mビット/秒の接続速度としている。

衛星はヒ化ガリウムソーラーアレイとリチウムイオン電池から動力を得ており、重量はそれぞれ700kgである[1]

衛星はタレスグループタレス・アレーニア・スペースが製造している。最初の衛星はカンヌ・マンドリュー宇宙センターが製造し、残りの衛星はタレス・アレーニア・スペースのイタリアローマ工場で組み立て、統合、試験などが行われている。

  1. ^ a b "The journey begins" with a lift from Arianespace: O3b Networks’ first four satellites are in orbit”. Arianespace (2013年6月25日). 2013年6月27日閲覧。
  2. ^ SES takes control of O3b, citing synergies between GEO, MEO constellations” (2016年). 2017年2月10日閲覧。
  3. ^ Wood, Lloyd; Lou, Yuxuan; Olusola, Opeoluwa (2014). “Revisiting elliptical satellite orbits to enhance the O3b constellation”. Journal of the British Interplanetary Society 67 (3): 110–118. arXiv:1407.2521. 
  4. ^ iDirect's Interoperability with O3b's MEO Satellite System” (2008年). 2017年2月10日閲覧。
  5. ^ Two O3b Satellites Taken Out of Service as a Precaution” (2014年). 2017年2月10日閲覧。
  6. ^ O3b Networks Presentation”. presentation. O3b Networks (2009年2月23日). 2013年1月9日閲覧。
  7. ^ O3b website – Our technology”. website. O3b Networks. 2013年1月9日閲覧。
  8. ^ Why Latency Matters to Mobile Backhaul”. O3b Networks and Sofrecom (2013年4月18日). 2017年2月10日閲覧。



英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「O3b (人工衛星)」の関連用語

O3b (人工衛星)のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



O3b (人工衛星)のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのO3b (人工衛星) (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS