ロイス家とは? わかりやすく解説

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ロイス家

(Imperial County of Reuss から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/07/22 03:28 UTC 版)

ロイス家Haus Reuß)は、ドイツの貴族・領邦君主の家系。ロイスの家名を名乗ったのは14世紀からであるが、家系は12世紀に遡ることができる。神聖ローマ皇帝の城代(フォークト。Vogt)から領主・へと発展した一族で、テューリンゲン地方東部のフォークトラント(Vogtland)地方を統治した。1564年に兄弟で所領が分割されて以後、分割相続が繰り返されて多くの家門を分出。1778年にロイス=グライツ家(兄系ロイス家)が帝国諸侯(ライヒスフュルスト)の地位を得たのをはじめとして、一族の4つの家門が諸侯に列した。19世紀半ばには2つの侯国(兄系弟系)にまとまり、ドイツ帝国の下でも非常に小規模ながら領邦としての形を保った。


注釈

  1. ^ ロイス家家長となったハインリヒ4世(1919年 - 2012年)のロイス=ケストリッツ家本家と、ハインリヒ1世(1910年 - 1982年)の家は、曽祖父の代で分かれた。ハインリヒ4世はハインリヒ63世(1786年 - 1841年)の長男の末裔であり、ハインリヒ1世は5男の末裔である。
  2. ^ メクレンブルク=シュヴェリーン大公家の一員で、第一次世界大戦期にバルト連合公国元首に推戴されたアドルフ・フリードリヒ・ツー・メクレンブルク(1873年 - 1969年)の一人娘。アドルフは晩年、メクレンブルク=シュヴェリーン家家長の地位を受け継いだ。母はハインリヒ45世の姉ヴィクトリア・フェオドラ[1]
  3. ^ 第二次世界大戦後に成立したドイツ国家を無効とみなし、「第二帝国(ライヒ)」(ドイツ帝国ないしはドイツ国)が現在も存続していると主張する運動[3](日本語で「帝国」と訳されることの多い Reich という語の解説は「ライヒ」を参照)。ドイツ語名称をカナ転記した「ライヒスビュルガー」[3][4]と記されるほか、「帝国市民」[3]・「帝国の住民」[5]や「帝国臣民」[4][6]などと翻訳される。「かつて無害だと思われていた」[3]が、勢力を拡大するとともに反ユダヤ主義[3]や移民排斥[6]、陰謀論[4]など、現在のドイツ社会のあり方を拒絶するさまざまな主張を行う人々も取り込んだという。朝日新聞・読売新聞の記事では、ドイツ連邦検察庁の発表を引く形で「極右勢力」としており、ロイター通信やニューヨーク・タイムズも"far-right"としている。
  4. ^ 貴族制度廃止後のドイツ語圏の旧貴族の姓のありかたについては「フォン (前置詞)」などの項目も参照。
  5. ^ ドイツではプライバシー保護法において、容疑者段階では個人名(日本で言う「下の名前」)が公開される一方で、姓はイニシャルのみの公表となるが、ハインリヒ13世の場合は「Heinrich XIII P. R.」として(「Heinrich XIII」という名を持つ、「Prinz Reuss」という姓の人物として)公表された[9]

出典

  1. ^ Death of Duchess Woizlawa Feodora of Mecklenburg-Schwerin”. House of Mecklenburg-Schwerin. 2019年6月15日閲覧。
  2. ^ a b c d e f “Who is Heinrich XIII? Aristocrat, 71, 'behind far-right plot to overthrow German government' has called for a return of the monarchy... but his family say he’s 'a confused old man caught up in conspiracy theories'”. Daily Mail. (2022年12月8日). https://www.dailymail.co.uk/news/article-11511519/Who-Heinrich-XIII-Prince-Reuss-Germanys-Reichsb-rger-movement-explained.html 2022年12月8日閲覧。 
  3. ^ a b c d e f 「第二帝国」称して独自パスポートや免許証 逮捕のドイツ極右運動”. 朝日新聞デジタル (2022年12月8日). 2022年12月8日閲覧。
  4. ^ a b c 71歳「ハインリッヒ13世」、ドイツでクーデター準備…「帝国臣民」の関与も捜査”. 読売新聞オンライン (2022年12月8日). 2022年12月8日閲覧。
  5. ^ a b ドイツ、クーデター計画容疑で25人逮捕 議事堂襲撃を画策と”. BBC (2022年12月7日). 2022年12月7日閲覧。
  6. ^ a b 21世紀のドイツにはびこる謎の勢力「帝国臣民」をご存じか author=川口マーン惠美”. 現代ビジネス (2016年10月28日). 2022年12月8日閲覧。
  7. ^ a b “Heinrich XIII: the prince suspected of plotting to be German kaiser in coup”. Reuters. (2022年12月8日). https://www.reuters.com/world/europe/heinrich-xiii-prince-suspected-plotting-be-german-kaiser-coup-2022-12-07/ 2022年12月8日閲覧。 
  8. ^ ドイツで極右クーデター計画 主犯格に「ハインリヒ13世ロイス公」”. 朝日新聞デジタル (2022年12月7日). 2022年12月7日閲覧。
  9. ^ a b c d e “What Do We Know About Prince Heinrich XIII of Reuss?”. New York Times. (2022年12月7日). https://www.nytimes.com/2022/12/07/world/europe/prince-heinrich-reuss-germany.html 2022年12月8日閲覧。 
  10. ^ a b c “NACH RAZZIA UND FESTNAHMEN: Haus Reuß schockiert über Vorgänge um Heinrich XIII.”. MDR THÜRINGEN. (2022年12月7日). https://www.mdr.de/nachrichten/thueringen/ost-thueringen/saale-orla/heinrich-xiv-fuerst-reuss-interview-razzia-100.html 2022年12月8日閲覧。 


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