SKハイニックスとは? わかりやすく解説

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SKハイニックス

(Hynix から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2026/09/08 04:01 UTC 版)

SKハイニックス
SK Hynix Inc.
種類 株式会社
市場情報 KRX: 000660
NASDAQ: SKHY
本社所在地 大韓民国の旗 大韓民国
京畿道利川市
設立 1983年
業種 電気機器
代表者 クァク・ノジュン
売上高 66兆1,930億ウォン(2024年)[1]
営業利益 23兆4,673億ウォン(2024年)[1]
従業員数 46,863名(2024年)
主要株主 SKスクエア 20.1%
韓国国民年金公団 10.6%
主要子会社 Solidigm(ソリダイム)
外部リンク https://www.skhynix.com/
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SKハイニックス(エスケイハイニックス、英:SK Hynix Inc.)は、韓国のテクノロジー企業。世界最大級の半導体メーカーであり、研究・開発・回路設計・製造・パッケージングをすべて自社で担う。筆頭株主はSKグループの中核企業であるSKスクエア。

北米時間2015年6月16日にAMDが発表したSKハイニックスによる世界初のHBM

先端記憶装置分野において世界最高の研究力と技術力、生産力を持つ企業群「ビッグ3」の一角[2]。DRAMなど高付加価値メモリを専業とし、国際規格の標準化を主導する。

AI向け先端半導体のHBM(高帯域幅メモリ)市場および次世代規格のHBM4の開発で先行しており、PIM(演算付きメモリ)技術や次世代ロジック半導体の研究にも関わる[3]。

SKハイニックスはキオクシアの事実上の筆頭株主として強い影響力を有する[要出典] 。

概要

SKハイニックスは韓国内でサムスン電子と競合関係にある半導体メモリ企業である。またDRAM市場ではサムスン電子、アメリカのマイクロンと並び世界3大メーカーの一つである[4]。主力製品はDRAMとNAND型フラッシュメモリであり、その他の種類の半導体も製造している。2017年時点で収益の9割をDRAMで稼いでいる。

1983年に現代グループの電機部門である現代電子産業として創業した。1997年のアジア通貨危機後には半導体の製造に特化。1999年に韓国政府主導によりLGグループの半導体事業と経営統合を果たすも、2001年に経営破綻し、政府系金融機関からの資金援助を受け債権銀行団の管理下に入った[5]。

その後、経営再建は一段落し、2010年ごろから債権銀行団は保有するハイニックス株の売却先を探していたが、2011年11月に通信大手、SKテレコム傘下に入ることが決まり、2012年3月にSKハイニックスに社名変更した。

NAND型フラッシュメモリ分野の技術力確保のため、1990年代から東芝と技術提携を通じ、該当分野の技術力強化を目指した。東芝に提訴された事例もあるが、両社は和解に合意している(東芝研究データ流出事件)。2017年に東芝メモリ(現:キオクシア)の買収に参画することで、技術提携関係を更に強化する考えを示した[6]。

SKハイニックスは、東芝メモリを米ベインキャピタル主導の日米韓連合が買収した際に約3950億円を出資しており、現在もキオクシアに対して約15%の議決権を間接的に保有している[7][8]。

2010年代後半の半導体不況が続く中、設備投資を盛んに行っており、2018年までに清州市に約20兆ウォンを投じて6万平方メートル規模の工場を新設したほか、2019年4月までに中国・江蘇省の無錫半導体工場に9500億ウォン以上を投じて新工場を稼働させた[9][10]。

2007年にはCMOSイメージセンサ事業に参入。2019年9月、東京都内にCISの開発拠点を設立するなど事業を拡大したが、2025年3月に事業撤退を発表、AIメモリ分野に集中する方針が示された[11][12]。

2020年10月に米インテルのNANDフラッシュメモリ事業を9500億円で買収することを発表した[13]。2021年に第1段階の買収が完了し、IntelのSSD事業は、新たに発足したSK hynixの米国子会社「Solidigm」(ソリダイム)に移管された[14]。2025年3月に取引が完了した[15]。

2020年代になるとAI向けメモリ「HBM(高帯域幅メモリ)」の需要急増を背景に急成長している。特に、NVIDIAなどのAI半導体メーカー向けにHBM3やHBM3Eを大量供給しており、高付加価値製品への集中が利益を押し上げた[4][16]。

沿革

主要拠点

SKハイニックス・ジャパン

企業情報

日本での売上高 [23][24]

  • 2021年 - 728億9600万円
  • 2022年 - 707億7700万円
  • 2023年 - 854億7200万円
  • 2024年 - 762億7000万円

相殺関税

2006年1月から2009年4月まで、ハイニックスの韓国国内の工場で前工程を行ったDRAMに対しては、日本国内に輸入する際に27.2%の相殺関税が賦課されていた[25]。これはエルピーダメモリ(当時)およびマイクロンジャパンからの課税申請を受けての措置であった[26]。

同社は2001年から2002年の経営不振時に、韓国政府の指示のもと金融機関から資金的援助を受けていたとされており、これがWTO協定や国内法に規定されている「違法な輸出補助金に相当する」と判断されている。

同様の相殺関税は、欧州連合とアメリカ合衆国が2003年以降それぞれ34.8%、44.29%を課している。なおEUは2008年4月に関税撤廃した。なお世界貿易機関の上級委員会は、2007年12月17日に「日本の相殺関税は違法だ」として是正勧告を出している。

相殺関税の発動以降、ハイニックスは同社の中華人民共和国・アメリカの工場および台湾の製造委託先で、前工程が行われたものを主に日本国内で流通させている。これらのDRAMには相殺関税はかけられていない。またパーソナルコンピュータなどの機器に組み込んだ状態で輸入されたDRAMについても、相殺関税の対象になっていない。

任天堂製品の輸入販売

韓国版NINTENDO 64「ヒョンデ・コンボイ64」。
韓国版スーパーファミコン「ヒョンデ・スーパーコンボイ」のコントローラー。

SKハイニックスの前身である現代電子産業は、1989年から1999年にかけて、任天堂とライセンス契約を結び、現代電子ブランドとして任天堂のゲーム機やソフトを韓国国内で輸入販売したことがある。これは当時の韓国政府が日本製ゲーム機[27]及び、日本製ゲームソフトを含むソフトウェアの輸入制限を行っていたため、任天堂が韓国市場へ進出するにあたり、韓国製品扱いにしてこれらの規制をクリアするためであった。

商品には独自の名前が併記されているが、同時期のセガとサムスン電子との提携とは異なり、独自でライセンス生産はせず、任天堂の日本あるいは中国の工場で生産されたものである。そのためいずれも任天堂が付けた原題と併記されている。

1999年に現代電子産業と任天堂とのライセンス契約を解消し輸入販売から撤退した。その後、韓国内で発売されたゲームボーイカラー・ニンテンドー ゲームキューブ以降の任天堂製ゲーム機・ゲームソフトは任天堂が直接販売を行い、ソフトウェア輸入制限全面解禁(2004年)後の2006年には任天堂が韓国法人を立ち上げている。

携帯ゲーム機
ゲームボーイ→ヒョンデ・ミニ・コンボイ(HYUNDAI MINI COMBOY)
据置ゲーム機
Nintendo Entertainment System(NES、海外版ファミリーコンピュータ)→ヒョンデ・コンボイ(HYUNDAI COMBOY)- 1989年発売。筐体は北米・ヨーロッパ版のNESと同一であり、韓国と同じNTSC方式である北米向けのゲームソフトが使用できると推測される。よって日本版ファミコンとは互換性がない。
Super Nintendo Entertainment System(SNES、日本名スーパーファミコン)→ヒョンデ・スーパーコンボイ(HYUNDAI SUPER COMBOY)- 1992年発売。筐体形状及び放送方式(NTSC)が同じ日本版スーパーファミコン用ソフトが使用できる。(欧州版はPAL方式、北米版は筐体が異なるため使用できない。)
NINTENDO 64→ヒョンデ・コンボイ64(HYUNDAI COMBOY64)- 1997年発売。NTSC方式の日本版ゲームソフトが使用できる。NINTENDO64の発売初期の全世界における販売不振と、韓国での発売直後に起きたアジア通貨危機による韓国経済の大不況、そして前述の輸入制限の緩和が重なり、1999年に現代電子産業は任天堂商品の輸入販売から撤退した。
互換アダプター
スーパーゲームボーイ→ヒョンデ・スーパーミニコンボイ(HYUNDAI SUPER MINI COMBOY)

脚注

  1. 1 2 SKハイニックスが23日、2024年の売上高66兆1930億ウォン、営業利益23兆4673億ウォンの創業以来最大の実績を記録したと明らかにした。売上げは従来最高だった22年より21兆ウォン以上高い実績.. - MK
  2. ↑ “Big three memory chip manufacturers policing customers to prevent hoarding — employee says industry relationships ‘matter in a crunch’” (英語). Tom's Hardware (2026年1月30日). 2026年7月12日閲覧。
  3. ↑ “HBM成功神話のSKハイニックス、メモリー最強者に跳躍する | 亜洲日報”. japan.ajunews.com. 2025年10月3日閲覧。
  4. 1 2 “SKハイニックス 「高性能HBM」で果たした下剋上”. 東洋経済オンライン (2024年8月6日). 2025年10月12日閲覧。
  5. ↑ 「韓国ハイニックス、10億ドル資金調達で債権銀行と協議へ」。2006年2月21日、IT-PLUS。
  6. ↑ “韓経:SKハイニックス「NANDを本格的に育成」”. 2018年5月18日閲覧。
  7. ↑ Inc, Semiconductor Portal. “セミコンポータル/Semicon Portal” (jp). セミコンポータル/Semicon Portal. 2025年10月4日閲覧。
  8. 1 2 “【ベインキャピタルのPE共同責任者が明かす】キオクシア上場までの改革プロセス”. マールオンライン. 2025年10月4日閲覧。
  9. ↑ “1.8兆円、韓国SK新工場不安”. 東京新聞 (2019年7月4日). 2019年7月13日閲覧。
  10. ↑ “SKハイニックスに燻る過剰投資の懸念”. 電子デバイス産業新聞 (2019年5月10日). 2019年7月13日閲覧。
  11. ↑ “SK hynix、日本にCMOSイメージセンサー開発拠点設置”. EE Times Japan. 2022年1月25日閲覧。
  12. ↑ Inc, Nikkei (2025年3月7日). “韓国SK、CMOS画像センサー撤退 AI向け半導体に集中”. 日本経済新聞. 2025年10月4日閲覧。
  13. ↑ “インテル、SKハイニックスにメモリー売却 9500億円で”. 日本経済新聞 (2020年10月20日). 2021年2月27日閲覧。
  14. ↑ 日経クロステック(xTECH) (2022年1月5日). “IntelがSK hynixにSSD事業売却、米Solidigm始動 | 日経クロステック(xTECH)”. xtech.nikkei.com. 2025年12月6日閲覧。
  15. ↑ Lin, Ed. “Intel Received $1.9 Billion From Final Close of SK Hynix Deal” (英語). barrons. 2025年12月6日閲覧。
  16. ↑ Lee, Yoolim (2025年7月23日). “SKハイニックス、4-6月利益と売上高は過去最高-AI需要追い風”. Bloomberg.com. 2025年10月12日閲覧。
  17. 1 2 株式会社インプレス. “【福田昭のセミコン業界最前線】 逆襲のSK Hynix”. PC Watch. 2025年10月12日閲覧。
  18. ↑ 日経クロステック(xTECH) (2023年8月21日). “生成AIブームを支える超高速メモリー、サムスン電子とSKハイニックスの競争過熱 | 日経クロステック(xTECH)”. xtech.nikkei.com. 2025年12月20日閲覧。
  19. ↑ “SK hynixがHBM3Eの量産を開始、NVIDIAのサプライヤー多様化で競争は激化”. EE Times Japan. 2025年12月20日閲覧。
  20. ↑ “SKハイニックス、HBM4の世界初となる量産体制構築を完了(韓国) | ビジネス短信 ―ジェトロの海外ニュース”. ジェトロ. 2025年12月6日閲覧。
  21. ↑ “SK海力士ADR暴涨逾17%,创上市新高!短期看涨期权需求全线飙升,官宣12层HBM4正式量产” (中国語). tradingkey.com. 2026年8月26日閲覧。
  22. ↑ 松浦奈美、竹内弘文 (2026年7月11日). “韓国SKハイニックス米上場、初日は13%高 時価総額1.2兆ドル”. 日本経済新聞. 2026年7月14日閲覧。
  23. ↑ https://catr.jp/companies/312f5/189460/settlements/e7fe7/298053
  24. ↑ “SK hynix Japan株式会社 第29期決算公告 | 官報決算データベース”. catr.jp. 2026年2月7日閲覧。
  25. ↑ “政府、Hynix製DRAMに補助金相殺関税”. ITmedia NEWS. 2026年4月12日閲覧。
  26. ↑ “相殺関税の課税状況等 : 税関 Japan Customs”. www.customs.go.jp. 2026年4月12日閲覧。
  27. ↑ 対日貿易赤字が著しかった1980年代当時の韓国では「輸入先多辺化(多角化)品目制度」(1977年 - 1999年)により日本企業ブランドの家電製品を含む工業製品の輸入規制が行われていた。

関連項目

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