ヒルベルト=シュミット積分作用素とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > 百科事典 > ヒルベルト=シュミット積分作用素の意味・解説 

ヒルベルト=シュミット積分作用素

(Hilbert–Schmidt integral operator から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/03/26 00:03 UTC 版)

数学の分野において、ヒルベルト=シュミット積分作用素(ヒルベルト=シュミットせきぶんさようそ、: Hilbert-Schmidt integral operator)は、積分変換の一種である。特に、n-次元ユークリッド空間 Rn 内の与えられた領域(かつ連結な集合)Ω に対して、ヒルベルト=シュミット核(Hilbert-Schmidt kernel)は次を満たす関数 k : Ω × Ω → C として与えられる:

すなわち、kL2(Ω×Ω; C) ノルムは有限である。これに対応するヒルベルト=シュミット積分作用素は、次のような作用素 K : L2(Ω; C) → L2(Ω; C) のことを言う:

このとき、K はヒルベルト=シュミットノルム

を備えるヒルベルト=シュミット作用素であることに注意されたい。ヒルベルト=シュミット積分作用素は、すべてのヒルベルト=シュミット作用素がそうであるように、連続(したがって有界)かつコンパクトである。

ヒルベルト=シュミット作用素の概念は、任意の局所コンパクトハウスドルフ空間へと拡張できる場合もある。具体的に、X を、正のボレル測度を備える局所コンパクトなハウスドルフ空間とする。また、L2(X) を可分ヒルベルト空間とする。Rn 上の核 k についての上述の条件は、L2(X × X) に k が属することを要求するものであると解釈できる。このとき、作用素

コンパクトである。もしも

が成立するなら、K自己共役作用素であり、したがってスペクトル定理が適用される。これは、このような作用素の基本的な構成方法の一つであり、無限次元ベクトル空間についての問題を、よく知られている有限次元固有空間の問題へと簡略化する際にしばしば用いられている。そのような例については、参考文献にある Bump の本の第 2 章を見られたい。

関連項目

参考文献

  • Renardy, Michael and Rogers, Robert C. (2004). An introduction to partial differential equations. Texts in Applied Mathematics 13 (Second edition ed.). New York: Springer-Verlag. pp. 356. ISBN 0-387-00444-0  (Sections 7.1 and 7.5)
  • Bump, Daniel (1998). Automorphic Forms and Representations. Cambridge Studies in Advanced Mathematics. 55. Cambridge: Cambridge University Press. pp. 592. ISBN 0-521-65818-7 



英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「ヒルベルト=シュミット積分作用素」の関連用語

ヒルベルト=シュミット積分作用素のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



ヒルベルト=シュミット積分作用素のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのヒルベルト=シュミット積分作用素 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS