フォード・コスワース・ZETEC-Rエンジン
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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/12/07 06:29 UTC 版)
フォード・コスワース・ZETEC-Rエンジン(Ford cosworth ZETEC-R engine)は、フォードの資金提供を受けたコスワースによって製作されたフォーミュラ1 (F1) 用エンジン。
開発の経緯
1991年から1992年にかけては、フォードは他のメーカーに負けないようセラミックス素材を多用した軽量なV12エンジンの開発を行っており、ベネトン・B192への搭載も噂されていたが、開発を断念。その開発内容をフィードバックさせたエンジンとして登場したのが、ZETEC-R V8エンジンである。
歴史
1994年にZETEC-R V8 (EC) をベネトンに供給[1]、ミハエル・シューマッハによる初のドライバーズチャンピオン獲得をサポートした。
1995年は、前年ミハエル・シューマッハをドライバーズチャンピオンにしたベネトンが使用エンジンをルノー V10へ変更したため、ザウバーへZETEC-R V8 (ECA) エンジンを供給[1]。但し、同年からF1エンジンは排気量の規定が3,500cc以下から3,000cc以下へと変更されたため、同じZETEC-R V8の名称ではあるが仕様は前年型とは異なる。このV8仕様は、実質カスタマー仕様として1996年にフォルティが使用し、さらに1997年にマスターカード・ローラが使用し、3年、3チームに渡って使用された。
1996年にはF1エンジンのトレンドとなっていたV型10気筒エンジン、ZETEC-R V10 (JD) エンジンをザウバーへワークス供給[1]。1997年からは、フォードとの強力なコネクションを持つジャッキー・スチュワートと、その息子であるポール・スチュワートが率いるスチュワート・グランプリへZETEC-R SC V10エンジンをワークス供給。1998年からは、ティレルやミナルディにカスタマー供給が開始された[1]。ミナルディはその後、2001年までVJエンジン、フォンドメタルV10などといったように名前を変えながら使用し続けることとなった。
1999年、スチュワートに新型ワークスエンジンである、CR1エンジンが供給されたため、ZETEC-Rはカスタマー供給のみとなった。
スペック
ZETEC-R (EC) (3,500cc) (1994年)
ZETEC-R (ECA) (3,000cc) (1995年)
- 全長610mm 全幅590mm 全高515mm
- V型8気筒エンジン、4バルブDOHC、自然吸気
ZETEC-R (JD) (3,000cc) (1996年-2001年)
- V型10気筒エンジン、4バルブDOHC、自然吸気
- バンク角 72度
記録
- F1での優勝回数 8回
- 初優勝 1994年 ブラジルGP
- ドライバー ミハエル・シューマッハ
- コンストラクター ベネトン・フォード
- F1でのポールポジション回数 6回
- 初ポールポジション 1994年 モナコGP
- ドライバー ミハエル・シューマッハ
- コンストラクター ベネトン・フォード
- 最後の優勝 1994年 ヨーロッパGP
- ドライバー ミハエル・シューマッハ
- コンストラクター ベネトン・フォード
- 最後のポールポジション 1994年 ヨーロッパGP
- ドライバー ミハエル・シューマッハ
- コンストラクター ベネトン・フォード
- 総合優勝(ドライバー)1回
- 総合優勝(コンストラクター)0回
供給チーム
- ベネトン (1994年) (ZETEC-R V8)
- ザウバー (1995年-1996年) (ZETEC-R V8,ZETEC-R V10)
- フォルティ (1996年) (ZETEC-R EC V8)
- ローラ (1997年) (ZETEC-R EC V8)
- スチュワート・グランプリ (1997年-1998年) (ZETEC-R SC V10)
- ティレル (1998年) (ZETEC-R V10)
- ミナルディ (1998年-2001年) (ZETEC-R V10,ZETEC-R VJ V10,フォンドメタル V10,ヨーロピアン V10)
脚注
- ^ a b c d “Engine Ford Cosworth • STATS F1”. 2025年12月7日閲覧。
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