フェーリング反応

フェーリング反応(フェーリングはんのう)(化学の教科書ではフェーリング液の還元という)は、アルデヒドや糖類の還元性に由来する化学反応の一つである。
原理と反応
フェーリング液に還元性物質(ホルミル基を持つ物質等)を加えて加熱すると、酸化銅(I) (Cu2O) の赤色沈殿が生成するというもので、還元性物質の検出や定量に用いられる。なお、ギ酸はホルミル基を有するが通常の条件ではフェーリング反応を示しにくい。これは、フェーリング液が塩基性であるためギ酸が電離し、生じたギ酸イオンは銅(II)イオンとキレート錯体を形成するためである[2]。ベンズアルデヒドなどの芳香族アルデヒドも通常はフェーリング反応(フェーリング液の還元)を示しにくい。これはアルデヒド基のCOとベンゼンの二重結合との共鳴効果による安定化と、塩基性条件下ではベンジルアルコールと安息香酸への不均化、いわゆるカニッツァーロ反応の方が先行するためである。