Bayesian gameとは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 学問 > OR事典 > Bayesian gameの意味・解説 

ベイジアンゲーム

(Bayesian game から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/10/28 04:50 UTC 版)

ナビゲーションに移動 検索に移動

ベイジアンゲーム (: bayesian game) とは、他のプレーヤーの特性 (利得など) に関する情報が不完備であるゲームである。ジョン・ハーサニの枠組みに従うと[1]、ベイジアンゲームは、ゲームに自然 (Nature) というプレーヤーを導入することでモデル化できる。自然は各プレーヤーに、そのプレーヤーのタイプの値をとる確率変数を割りあて、それらのタイプの上に確率ないし確率密度関数を関連づける (ゲーム理論の教科書では、自然は各プレーヤーのタイプ空間の上の確率分布に従ってタイプを無作為に選ぶとする)。このようにベイジアンゲームをモデル化するハーサニの手法では、不完備情報のゲームは不完全情報のゲーム (すべてのプレーヤーにとってゲームの歴史がわからないもの) に変えられている。プレーヤーのタイプはそのプレーヤーの利得関数を決定する。そのタイプに関連づけられる確率は、そのタイプが特定化されるプレーヤーがそのタイプである確率である。ベイジアンゲームで情報の不完備性というのは、少なくとも1人のプレーヤーが他のプレーヤーのタイプ (利得関数) について確信がないということを意味している。

このようなゲームは、ゲームに備わっている確率的分析のためにベイジアンと呼ばれている。プレーヤーたちは各プレーヤーのタイプについて事前の信念をもっており (ここで信念とは、プレーヤーのとりうるタイプの上の確率分布)、ゲームにおいて行動がとられるにつれてベイズルールに従って信念を更新しうる、すなわち、他のプレーヤーのタイプについてプレーヤーがもつ信念は、プレーヤーたちがとった行動にもとづいて変化していく。プレーヤーたちがもっている情報の不足と、信念のモデリングとは、このようなゲームが不完備情報のシナリオを分析するためにも使えることを意味している。

ゲームの特徴づけ

完備情報の非ベイジアンゲームの正規形表現は、プレーヤーたちの戦略空間と利得関数の特徴づけになっている。プレーヤーの戦略とは、ゲームで起こりうるあらゆる事態に対応する行動の完全な計画であり、これは決して起こりえない事態についてもそのときとるべき行動を定めたものである。プレーヤーの戦略空間は、このプレーヤーがとりうるすべての戦略の集合である。利得関数は、戦略プロファイルの集合から利得の集合 (通常、実数の集合) への関数である。ここに戦略プロファイルとは、すべてのプレーヤーの戦略を特定化したベクトル (組) である。

ベイジアンゲームにおいては、戦略空間、タイプ空間、利得関数、および信念を、各プレーヤーについて特定化する必要がある。プレーヤーの戦略とは、そのプレーヤーがなるかもしれないすべてのタイプについて、起こりうるあらゆる事態をカバーするような行動の完全な計画である。戦略は、実際に実現したタイプを 1 つ所与としてそれについてだけの行動計画であってはならず、もし自分がほかのタイプになっていたならばとったであろう行動をも定めたものでなければならない。戦略空間は前述のとおり。プレーヤーのタイプ空間とは、単にそのプレーヤーのとりうるタイプすべての集合である。プレーヤーの信念は、他のプレーヤーのタイプに関して自分がもっている不確実性を記述したものである。それぞれの信念は、その信念をもつプレーヤー自身のタイプを所与として、他のプレーヤーたちが特定のタイプをもっていることの確率である (すなわち、信念とは条件つき確率 p (他のプレーヤーのタイプ | 自分のタイプ))。 利得関数は戦略プロファイルとタイププロファイルの2変数関数である。プレーヤーが利得関数 カテゴリ


「Bayesian game」の例文・使い方・用例・文例

Weblio日本語例文用例辞書はプログラムで機械的に例文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「Bayesian game」の関連用語

Bayesian gameのお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



Bayesian gameのページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
日本オペレーションズ・リサーチ学会日本オペレーションズ・リサーチ学会
Copyright (C) 2025 (社)日本オペレーションズ・リサーチ学会 All rights reserved.
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのベイジアンゲーム (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。
Tanaka Corpusのコンテンツは、特に明示されている場合を除いて、次のライセンスに従います:
 Creative Commons Attribution (CC-BY) 2.0 France.
この対訳データはCreative Commons Attribution 3.0 Unportedでライセンスされています。
浜島書店 Catch a Wave
Copyright © 1995-2025 Hamajima Shoten, Publishers. All rights reserved.
株式会社ベネッセコーポレーション株式会社ベネッセコーポレーション
Copyright © Benesse Holdings, Inc. All rights reserved.
研究社研究社
Copyright (c) 1995-2025 Kenkyusha Co., Ltd. All rights reserved.
日本語WordNet日本語WordNet
日本語ワードネット1.1版 (C) 情報通信研究機構, 2009-2010 License All rights reserved.
WordNet 3.0 Copyright 2006 by Princeton University. All rights reserved. License
日外アソシエーツ株式会社日外アソシエーツ株式会社
Copyright (C) 1994- Nichigai Associates, Inc., All rights reserved.
「斎藤和英大辞典」斎藤秀三郎著、日外アソシエーツ辞書編集部編
EDRDGEDRDG
This page uses the JMdict dictionary files. These files are the property of the Electronic Dictionary Research and Development Group, and are used in conformance with the Group's licence.

©2025 GRAS Group, Inc.RSS