BAC2 機構
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2018/01/30 07:51 UTC 版)
「求核アシル置換反応」の記事における「BAC2 機構」の解説
求核アシル置換反応の代表的な付加-脱離機構。Nu は求核剤、L は脱離基を示す。 求核アシル置換反応の代表的な付加-脱離機構では、まず、分極により正電荷を帯びたカルボニル炭素へ求核剤が付加し、四面体型のアルコキシド中間体を作る。続いてカルボニル炭素に結合していた脱離基が脱離し、同時にカルボニル基が再生する。一連の反応により、求核剤が脱離基に置き換わったアシル化合物が生じる。 この機構は同位体ラベル実験により支持される。18O でラベルされたエトキシ基を脱離基として持つプロピオン酸エチルが NaOH との反応により遊離するエタノールは Et18OH のみである。 CH3CH2C(=O)18OEt + OH- → CH3CH2C(=O)O- + Et18OH 上記の機構は IUPAC命名法では AN + DN 機構、Ingold の命名では BAC2 機構と呼ばれる。
※この「BAC2 機構」の解説は、「求核アシル置換反応」の解説の一部です。
「BAC2 機構」を含む「求核アシル置換反応」の記事については、「求核アシル置換反応」の概要を参照ください。
- BAC2 機構のページへのリンク