90対90の法則とは? わかりやすく解説

90対90の法則

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/06 01:36 UTC 版)

ナビゲーションに移動 検索に移動

90対90の法則英語: ninety-ninety rule)とは、コンピュータプログラミングソフトウェア工学についてのユーモアを込めた次のような格言である。

The first 90 percent of the code accounts for the first 90 percent of the development time. The remaining 10 percent of the code accounts for the other 90 percent of the development time.[1][2]

日本語訳

コードの90%が、開発時間の最初の90%を占めている。残りの10%のコードが、他の90%の開発時間を占めている。

開発時間を合計すると180%になるのは、ソフトウェア開発のプロジェクトがスケジュールを大幅にオーバーするのが恒例化していることを皮肉ったものである(ソフトウェア開発の工数見積り英語版を参照)。この法則は、プログラミングにおいて簡単な部分と困難な部分に大雑把に時間に割り当ててしまうことと、多くのプロジェクトが遅れる原因が、予測不可能な複雑さを予想していないことにあることを表している。プロジェクトをもっとうまく運営するためには、もっと長い期間とさらなるコーディングが必要であるということを表現している。

この法則は、ベル研究所のトム・カーギル(Tom Cargill)が考案したもので、ジョン・ベントレー英語版ACMの学会誌"Communications of the ACM"1985年9月号のコラム"Programming Pearls"で"Rule of Credibility"として発表したことで広く知られるようになった[1]

派生した格言

パーセントの合計が100にならないので、誤植と間違われることがある。以下のように「訂正された」ものが引用されることがある。

コードの最初の90%が開発時間の10%を占め、残りの10%が90%を占める
約90%のコードが割り当てられた時間の10%を占め、残りの10%が90%の時間を占める

あまり有名ではないが、全ての数字を90%にしたものもある。

コードの最初の90%が開発時間の90%を占め、残り90%が90%を占める

また、ソフトウェアと関連のないプロジェクトにも、異なる基準でこの法則を当てはめたものもある。

プロジェクトの90%は予算の90%を使用し、残り90%も予算の90%を使う

脚注

  1. ^ a b Bentley, Jon (1985). “Programming pearls: Bumper-Sticker Computer Science”. Communications of the ACM 28 (9): 896–901. doi:10.1145/4284.315122. ISSN 0001-0782. 
  2. ^ Mantle, Micky W.; Lichter, Ron (2012), Managing the unmanageable, Addison Wesley, ISBN 978-0-321-82203-1, https://www.managingtheunmanageable.net/ 

関連項目





固有名詞の分類


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「90対90の法則」の関連用語

90対90の法則のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



90対90の法則のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアの90対90の法則 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS