3670
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2026/10/31 04:53 UTC 版)
| 3670 | |
|---|---|
| 3670 | |
| 監督 | パク・ジュンホ |
| 脚本 | パク・ジュンホ |
| 製作 | イ・ヘイン |
| 出演者 | チョ・ユヒョン キム・ヒョンモク チョ・デヒ |
| 音楽 | イ・スビン |
| 撮影 | ハン・サンギル |
| 編集 | パク・ジュンホ |
| 製作会社 | オロット・フィルム |
| 配給 | アットナイン・フィルム |
| 公開 | |
| 上映時間 | 124分 |
| 製作国 | |
| 言語 | 韓国語 |
『3670』(さんろくななぜろ、原題:3670)は、2025年公開の韓国映画[2]。 脱北者で、ゲイでもある二重のマイノリティの青年を主人公にした青春映画である[3]。
「3670」は「鍾路3街駅6番出口前で午後7時に集合」という意味である[4]。末尾の「0」は人数を表している[注 1]。
あらすじ
朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)からの脱北者で、ソウルのコンビニエンスストアで働いて暮らすゲイの青年チョルジュンは、脱北者仲間の絆に支えられながらも、ゲイであることを隠し孤独を抱えている。韓国にも、脱北者コミュニティにも居場所を見出せないチョルジュンは、ゲイ向けのアプリを通じて、鍾路3街のゲイタウンに足を踏み入れる。チョルジュンは、とあるゲイバーのコミュニティで行われたイベントで、人懐っこいヨンジュンと出会う。しかし、好みの男子を選ぶ際、チョルジュンはコミュニティ内でイケメンと言われるヒョンテクの番号を書く。マッチングは成功しなかったが、後日再会したヨンジュンとは意気投合し、コミュニティ内に居場所を見つける。
チョルジュンは、大学進学のため奨学金の面接に向けて書類を準備するが、なかなか自己アピールを書けず、ヨンジュンは親切にサポートする。二人の関係は親密になっていくが、チョルジュンがコミュニティ内で存在感を増す一方、ヨンジュンは就職に失敗したことで格差を感じる。また、チョルジュンが最初、ヒョンテクに惹かれていたことも根に持っていたヨンジュンは、チョルジュンと距離を置き始める。「アヒルと同じで最初に会った存在についてきているだけだ」と突き放し、腹いせにコンビニで他の仲間に「チョルジュンと仲がいいのは脱北者だから同情しただけだ」とヨンジュンが発した言葉を偶然にも聞いてしまったチョルジュンは怒る。
チョルジュンは喧嘩後、アプリで脱北してきたばかりのゲイと知り合う。太めで髭を生やした、いわゆる"熊系"の彼を同じ容姿の集まるグループに紹介し、同じ境遇の者を手助けしたことで自分を癒す。
チョルジュンはヨンジュンの電話番号を消すが、想いを断ち切れず、覚えていた番号に電話をかけると、ヨンジュンからカナダへ留学することを聞く。 カラオケボックスで待っていたヨンジュンと会い引き留めようとするが、ヨンジュンの決意は固く、チョルジュンも決定的な告白をできずに抱擁を交わし、旅立つヨンジュンを見送る。
その後、新たなコミュニティに足を踏み入れたチョルジュンは、カラオケで「メリーゴーランド」を歌い、未来へ向かって歩もうと決意する。
キャスト
- チョルジュン:チョ・ユヒョン
- ヨンジュン:キム・ヒョンモク
- ヒョンテク:チョ・デヒ
評価
- That Shelfのパット・マレンは「脚本・監督のパク・ジュンホが、韓国のアンダーグラウンドなクィアコミュニティを舞台に、チョルジュンが愛と友情を模索する姿をリアルに描き出す繊細な描写は、他の映画ではほとんど見られないような、クィアの友情を深く掘り下げている。これは、刺激的な出会いや情欲的な関係、娯楽的なセックスを通して愛を見つけるといった物語ではない。むしろパク監督は、自分をさらけ出す勇気、運命の出会いを果たし、誰かと深く繋がる前に通るべき、自己受容と自己愛への道のりを考察している。」と評している[6]。
- 一方、ScreenAnarchyのピアース・コンランは「上映時間の大半において、登場人物とその環境を非常に魅力的に描いているが、最後の3分の1で物語をまとめようとすると、残念な綻びが見え始める。物語の展開が過度に作為的に感じられるようになり、チョルジュンが不適切なタイミングで会話を耳にしたり、何週間も連絡を取っていなかったにもかかわらず、まさに適切なタイミングでヨンジュンに連絡を取ったり、プロットがやや散漫になる場面がいくつかある。これらの問題は、映画がやや説得力に欠けるクライマックスへと向かうにつれて顕在化し、パク監督自身が物語の結末をどう締めくくるべきか迷っていたかのような印象を与える。」と述べている[7]。
受賞・ノミネート
- 全州国際映画祭 韓国コンペティション部門 配給支援賞/CGV賞/Watcha賞/俳優賞(キム・ヒョンモク)受賞[8]
- Mixミラノ国際LGBTQ+映画祭 最優秀長編映画賞 受賞
- フランクフルト韓国映画祭 新人賞 受賞
- パリ韓国映画祭 観客賞 受賞[9]
- OUTshine映画祭 最優秀長編映画賞 審査員賞次点
- バンクーバー国際映画祭 観客賞 受賞
- ロンドン韓国映画祭 観客賞(第2位)受賞
- 青龍映画祭 最優秀新人監督賞 新人男優賞 ノミネート
- 韓国映画批評家協会賞 新人監督賞 新人男優賞 受賞
- 釜山映画批評家協会賞 新人監督賞 新人男優賞 受賞
- CINE21 今年の新人監督賞 新人俳優賞 受賞
- パームスプリングス国際映画祭 New Voices New Visions賞 受賞
- 百想芸術大賞 2026 映画部門 最優秀新人監督賞 受賞
- ディレクターズ・カット・アワード(韓国映画監督組合)新人監督賞/ビジョン賞/新人男優賞 ノミネート
- 野花映画賞(韓国独立映画賞)新人監督賞 受賞
脚注
注釈
出典
- 1 2 “3670 Release info”. IMDb. 2026年10月10日閲覧。
- 1 2 “3670”. 映画.com. 2026年10月10日閲覧。
- ↑ “3670”. 第5回アジアンクィア映画祭 (2026年2月21日). 2026年3月20日閲覧。
- ↑ “Queer N. Korean defector searches for belonging in Seoul in '3670'”. コリアタイムス (2025年8月28日). 2026年10月10日閲覧。
- ↑ 日本版公式パンフレット18頁。
- ↑ “3670 Review: Korean Defector Tale Is a Queer Film Landmark”. That Shelf (2026年1月9日). 2026年10月31日閲覧。
- ↑ “Jeonju 2025 Review: 3670, Fresh and Vibrant Drama Dives Into Life of Gay NK Defector”. ScreenAnarchy (2025年5月6日). 2026年10月31日閲覧。
- ↑ “脱北青年の青春を描いた韓国映画『3670』上映中”. 民団新聞 (2026年9月7日). 2026年10月10日閲覧。
- ↑ “Compte-rendu du Festival du Film Coréen à Paris 2025 – 20ème édition”. Culturopoing (2025年11月12日). 2026年10月31日閲覧。
外部リンク
- 3670のページへのリンク