野外の宴 (ディルク・ハルスの絵画)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/07/23 03:51 UTC 版)
オランダ語: De buitenpartij 英語: The Fête Champêtre |
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作者 | ディルク・ハルス |
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製作年 | 1627年 |
素材 | 板上に油彩 |
寸法 | 135.7 cm × 77.6 cm (53.4 in × 30.6 in) |
所蔵 | アムステルダム国立美術館 |
『野外の宴』(やがいのうたげ、蘭: De buitenpartij、英: The Fête Champêtre)[1][2]、または『庭園の宴』(ていえんのうたげ、英: A Garden Party)[3]は、オランダ黄金時代の画家で、フランス・ハルスの弟[1][2][3]ディルク・ハルスが1627年に板上に油彩で制作した風俗画である。1899年に購入されて以来、アムステルダム国立美術館に所蔵されている[1][2][3]。
作品

オランダ絵画において、音楽を楽しむ場面を描くという主題はウィレム・バイテウェッヘが最初に取り組み[4]、「団欒風俗」の主題を得意とした[5]ディルク・ハルスにかなりの影響を与えた[4]。
本作の主題は、ヴィラ (田舎の別邸) 近くの牧歌的な公園で催されている野外の宴である。祝祭用の服装をした人々が食事をしたり、飲み物を飲んだり、音楽を奏でたり、恋の戯れをしたりしている[2][3]。ディルク・ハルスは、人物たちを細部にいたるまで入念に描いている。バイテウェッヘから絵画から借用された1人の女性と1匹の犬が画面に見られる。この場面は現実に即したものではなく、中世後期からの人気ある主題である「愛の園」を想起させる[2][3]。
17世紀の人々は、この愉快な光景を楽しんだと思われる。しかし、同時にその隠された意味にも気づいていたであろう[1]。現世での生活は、飲食をしたり、楽しんだりするだけであってはならない。画面下部中央右寄りのサルは、それを示唆する表現となっている。サルは、本能に囚われる罪深い人間を表しているのである[1]。
脚注
参考文献
- 『RIJKSMUSEUM AMSTERDAM 美術館コレクション名品集』、アムステルダム国立美術館、1995年刊行 ISBN 90 6611 234 4
- 『大エルミタージュ美術館展 オールドマスター 西洋絵画の巨匠たち』、エルミタージュ美術館、日本テレビ放送網、読売新聞社、BS日テレ、森アーツセンター、2017年刊行
- 五木寛之編著『NHK エルミタージュ美術館 2 ルネサンス・バロック・ロココ』、日本放送出版協会、1989年刊行 ISBN 4-14-008624-6
外部リンク
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