シザーズ (サッカー)
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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/07/05 06:41 UTC 版)
シザーズ(英: scissors、別名としてステップ・オーバー(英: step over)、ペダラーダ(英: pedalada)、デニウソン(英: denílson)、ローダー・シャッフル(英: roeder shuffle)[1])は、サッカーにおけるドリブル技あるいはフェイントの一種である。ボールを保持する攻撃側の選手が守備側の選手に対して、意図しない方向に動こうとしていると惑わすために用いられる[2]。語源は「ハサミ」であり、ボールをまたぐように行うフェイントで、内側から外側にまたぐものと、外側から内側にまたぐものがあるが、近年では内側からのシザーズが主流となっている[3]。
日本語での名称について日本サッカー協会は「シザーズキック」と呼称している[4]。
この技は1900年代初頭にプレーしていたアルゼンチンのストライカー、ペドロ・カロミーノによって考案されたとする説があり、欧州では1920年代後半から1930年代初頭にかけてオランダのロー・アダムが使用したことで「アダム・ザ・シザーズマン」と呼ばれ、その名が知られるようになった[5]。イタリアでは1930年代にアメデオ・ビアバーティがプレーに取り入れるようになり[6]、1980年代にニューカッスル・ユナイテッドFCで活躍したグレン・ローダーもその使い手として知られている[1]。
1990年代に入り、世界的な活躍を見せたブラジルのロナウドが多様したことで、フェイント技のひとつとして広く認知されるようになった[7]。
現代ではロビーニョやクリスティアーノ・ロナウド、ネイマールといった攻撃的なポジションの多くの選手がこの技術を自分のものとし、試合の中で活用している[8]。
脚注
- ^ a b Simpson (2013), p. 35.
- ^ “Football | Skills | The step over”. BBC News. (2005年8月30日) 2014年5月20日閲覧。
- ^ 西部謙司 (2024年2月14日). “ドリブルの花形「シザーズ」。実はJFA会長も名手のひとりだった”. web sportiva. 集英社. 2025年7月5日閲覧。
- ^ “競技規則の解釈と審判員のためのガイドライン”. JFA. p. 121. 2025年7月5日閲覧。
- ^ Simpson, Paul; Hesse, Uli (2013). Who Invented the Stepover?: and other crucial football conundrums. London: Profile Books. p. 38. ISBN 9781847658425 2015年8月31日閲覧。
- ^ “Ma è un italiano il padre della finta” (Italian). La Gazetta dello Sport (2007年3月7日). 2015年1月21日閲覧。
- ^ "Ronaldo was simply a phenomenon". Sports Illustrated. Retrieved June 2, 2014
- ^ Lowe, Sid (2005年8月30日). “A star is born in Madrid | Football”. The Guardian 2014年5月20日閲覧。
参考文献
- Simpson, Paul (2013) (English). Who Invented the Stepover?. Profile Books. ISBN 9781847658425
外部リンク
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