藤原師長謫居跡とは? わかりやすく解説

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藤原師長謫居跡

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/09/30 14:25 UTC 版)

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藤原師長謫居跡石碑(嶋川稲荷大社内)

藤原師長謫居跡(ふじわらもろながたっきょあと、ふじわらのもろながたっきょあと)は愛知県名古屋市瑞穂区土市町にある史跡である。

概要

治承3年(1179年)11月、太政大臣だった藤原師長平清盛によって尾張国井戸田庄(現在の名古屋市瑞穂区)に流された際、居住した場所である[1][2]

歴史

治承3年(1179年)11月、後白河天皇と平清盛の衝突により、上皇の近臣だった師長は尾張国井戸田庄に配流される[3]。師長は当時42歳であった[3]。同年12月、龍泉寺にて出家し、理覚と称した[3]

翌治承4年(1180年)12月、上皇の幽閉が解かれるとともに、師長も赦されて京に帰ったとされている[3]が、同年は清盛がまだ生存していたため、清盛が亡くなった養和元年(1181年)との説もある[2][4]

伝承

地名伝説

  • 枇杷島 - 謫居の間、師長は土地の豪族・横江光深の娘と懇意になった。師長が京へ帰る際、別れを惜しんだ娘は、土器野(現在の清須市、旧西枇杷島町)まで見送りに来たため、師長が本尊の薬師如来像と愛器の琵琶「白菊」を形見として分けたところ、娘は悲嘆のあまり帰路で川に身投げしてしまった。その場所に娘の亡骸と琵琶が葬られ、これを琵琶塚と呼び、のちの枇杷島の地名の由来となった[3][2]。かつては井戸田の東方一帯が「琵琶ヶ峯」と呼ばれる丘陵だったが、開発により現存しない[5]
  • 師長町 - 師長の名に由来するとされているが、謫居の地ではない[6]。昭和の時代に命名[6]
  • 妙音通 - 琵琶の名手であった師長の奏でる琵琶の音色にちなんで、昭和の時代に命名[6]

アクセス

  • 所在地
    • 名古屋市瑞穂区土市町1丁目[7]

脚注

  1. ^ 瑞穂区誌 1994, p. 111.
  2. ^ a b c 名古屋市教育委員会 1998, p. 307.
  3. ^ a b c d e 瑞穂区誌 1994, p. 112.
  4. ^ 杉野 2017, p. 42.
  5. ^ 瑞穂区誌 1994, p. 113.
  6. ^ a b c 前田栄作 2013, p. 105.
  7. ^ 瑞穂区誌 1994, p. 118.
  8. ^ 杉野 2017, p. 38.

参考文献

  • 名古屋市文化財調査保存委員会『名古屋史跡名勝紀要』泰文堂、1984年、改訂増補。
  • 山田, 寂雀『瑞穂区の歴史』瑞穂区郷土史跡研究会、愛知県郷土資料刊行会〈名古屋区史シリーズ7〉、1985年。ISBN 4871610357
  • 水野時二/監修『瑞穂区誌:区制施行50周年記念』瑞穂区制施行50周年記念事業実行委員会、名古屋市瑞穂区役所、1994年。全国書誌番号: 94043882
  • 『名古屋の史跡と文化財』名古屋市教育委員会、名古屋市教育委員会、1998年、第3版。全国書誌番号: 20062355
  • 前田栄作、水野鉱造『尾張名所図会 絵解き散歩』風媒社、2013年、増補版。 ISBN 9784833101561
  • 杉野, 尚夫『名古屋地名ものがたり』瑞穂区郷土史跡研究会、風媒社、2017年。 ISBN 9784833101714

外部リンク

座標: 北緯35度07分00.7秒 東経136度55分48.2秒 / 北緯35.116861度 東経136.930056度 / 35.116861; 136.930056




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