網膜片頭痛
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/09/30 17:58 UTC 版)
網膜片頭痛 | |
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別称 | Ophthalmic migraine, ocular migraine, ophthalmic megrim, anterior visual pathway migraine[1] |
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一部の人が経験する可能性のある閃輝暗点の例 | |
概要 | |
診療科 | 神経学、眼科 |
症状 | 視力障害、頭痛のエピソード[1] |
継続期間 | 1時間以内[2] |
原因 | 不明[2] |
危険因子 | ストレス、喫煙、高血圧、避妊薬、運動、高地、脱水症状、低血糖、脱水症状[2] |
鑑別 | 前兆を伴う片頭痛、頭蓋内圧の上昇、一過性黒内障、視神経炎、巨細胞性動脈炎[2] |
合併症 | 永久的な視力喪失[2] |
治療 | 危険因子を避ける、ニフェジピン、アスピリン[2] |
頻度 | まれ[2] |
分類および外部参照情報 |
網膜片頭痛(もうまくへんずつう、英: Retinal migraine)は、片目だけにおこる視力障害に続いて片頭痛がおこる頭痛障害の一種である[1]。視力障害は、完全な視力の喪失、ぼやけ、光の点滅、暗点などさまざまであり、通常は1時間以内に治まる[2]。ほとんどの人が視力障害と同じ側に頭痛を発生する[2]。合併症には、永久的な視力喪失などがあげられる[2]。
患者の半数は片頭痛の家族歴があり、3分の1は片頭痛の既往歴がある[2]。発生の危険因子には、ストレス、喫煙、高血圧、避妊薬、運動、高地、脱水、低血糖などがあげられる[2]。根本的な機序は不明であるが、眼球に血液を供給する血管の痙攣や広範囲にわたる網膜の神経細胞の圧迫などが考えられている[2][1]。診断には他の考えられる原因を除外する必要がある[2]。網膜片頭痛は、前兆を伴う片頭痛の一般的な初期段階の両目に現れる前兆とは区別される[2]。
管理には、発生の危険因子を避けることである[2]。それでも十分でない場合は、アスピリンやニフェジピンなどのカルシウムチャネル遮断薬が使用される[2]。トリプタン、ジヒドロエルゴタミン、 β遮断薬は避けるべきである[2]。網膜片頭痛はまれでな疾患である[2]。早くて7歳で発症する症例もあるが、ほとんどの人は20代で初めて発症する[2]。男性より女性に多くみられる[1]。網膜片頭痛の症状が最初に説明されたのは1882年にガレゾフスキー(Galezowski)による[1]。
出典
- ^ a b c d e f “Retinal migraine”. Curr Pain Headache Rep 9 (4): 268–71. (August 2005). doi:10.1007/s11916-005-0035-2. PMID 16004843.
- ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s t Al Khalili, Y; Jain, S; King, KC (January 2020). “Retinal Migraine Headache”. StatPearls. PMID 29939547.
外部リンク
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