カー・パリネロ法とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > 百科事典 > カー・パリネロ法の意味・解説 

カー・パリネロ法

(第一原理分子動力学法 から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/09/29 21:08 UTC 版)

カー・パリネロ法(カーパリネロほう、: Car–Parrinello methodCP法)は、1985年ロベルト・カーとミケーレ・パリネロ(M. Parrinello)によって考案されたバンド計算の手法である[1]。従来用いられていた行列要素の対角化を行わずに固有値(及び固有ベクトル)を求めることにより、計算を大幅に高速化した。これにより、系の電子状態と共に、その構造の最適化(この部分は古典的分子動力学法を用いる)も可能とした。

名称に関して

本手法は、第一原理分子動力学法first-principles molecular dynamics, FPMD, またはab initio molecular dynamics, AIMD)などとも呼ばれる。それぞれ微妙に異なるものを意味している場合もある。現在では、カー、パリネロによるオリジナルな手法が用いられることはほとんどなく、より効率化、高速化を図った手法に置き換わっている。ただし、これら現在主流となっている手法も広い意味でのカー・パリネロ法の範疇にあると言える。

カー・パリネロ法使用の利点

  • 計算量の減少 : 対角化を使用しないため、計算量のオーダーをN3から最大 N log N 程度まで減らすことができる。N は使用する基底関数の展開数。
  • メモリの節約 : 同様にして必要なメモリも大体N2から、NMのオーダーにすることが出来る。M はバンドの数。ここで基底関数の数は、バンド数より一桁以上大きいことが前提(←平面波基底の場合、NM
  • 系の構造の分子動力学計算や最適化が電子状態計算と同時に行える。

ラグランジアンが出発点




英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「カー・パリネロ法」の関連用語

カー・パリネロ法のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



カー・パリネロ法のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのカー・パリネロ法 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS