私の少女
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/07/29 04:51 UTC 版)
私の少女 | |
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도희야 | |
監督 | チョン・ジュリ |
脚本 | チョン・ジュリ |
製作総指揮 | イ・チャンドン |
出演者 | ペ・ドゥナ キム・セロン |
音楽 | チャン・ヨンギュ |
撮影 | キム・ヒョンソク |
製作会社 | ファインハウスフィルム ナウフィルム |
配給 | CJエンタテインメント |
公開 | |
上映時間 | 119分 |
製作国 | ![]() |
言語 | 韓国語 |
私の少女 | |
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各種表記 | |
ハングル: | 도희야 |
発音: | トヒヤ |
日本語読み: | わたしのしょうじょ |
英題: | A Girl at My Door |
『私の少女』(わたしのしょうじょ、原題:도희야、英題:A Girl at My Door)は、2014年公開の韓国映画。チョン・ジュリの長編映画監督デビュー作。映画監督のイ・チャンドンがプロデュースした。主演はペ・ドゥナ[2][3]。
第67回カンヌ国際映画祭「ある視点」部門正式出品作品[4][5]。第50回シカゴ国際映画祭特別招待作品[6]。
製作・上映
韓国芸術総合学校映像院はCJエンタテインメントとの共同プロジェクトで、在学生、卒業生を対象にした公募展を行った。最終的に選ばれたシナリオが実際に映画製作に入ることになっていた。同校映像院の学生で、すでにいくつかの短編を発表していたチョン・ジュリ(女性)も応募し、最終候補5作品のなかに残るも、結局落とされた。しかしイ・チャンドン監督の目にとまり、イ・チャンドンのプロデュースにより、チョン・ジュリの長編映画第一作がつくられることとなった[7]。
チョン・ジュリは実際に故郷の麗水市でシナリオを書きイメージを膨らませた。主人公のヨンナムと14歳の少女の関係があいまいなものとして描かれたため[8]、投資先を見つけるのに苦労し、資金の大部分は韓国映画振興委員会から調達された。予算は30万ドルであった[8]。
シナリオが届けられたとき、ペ・ドゥナはウォシャウスキー姉弟のSF映画『ジュピター』の撮影で外国にいた。そして読み終えると5分後に「私にぜひやらせてください」とメッセージを送った[3][9]。チョン・ジュリと会ったことはなかったが、「ヨンナムは自分にぴったりな役だ」と感じ、映画出演を決めたという[9]。ペ・ドゥナは無報酬で出演した[8][10]。
撮影はソウル北西の江華島、麗水市の金鰲島の2つの島で行われた[11]。撮影期間は6週間で、ペ・ドゥナはインタビューで「何しろ34時間連続撮影という、私の15年間の俳優人生で最長記録を出したんです」と答えている[3]。
2014年5月に開かれた第67回カンヌ国際映画祭に出品され、同年5月22日、韓国で一般公開された。同年10月、ロンドン映画祭とシカゴ国際映画祭で『A Girl at My Door』のタイトルで上映された[1]。同年11月22日から30日にかけて開催された第15回東京フィルメックスに『扉の少女(仮題)』として出品された[12]。日本では2015年5月1日に一般公開された[1]。
ストーリー
ソウルから小さな漁港の村の警察所所長として赴任したイ・ヨンナム(ペ・ドゥナ)は、14歳の少女ソン・ドヒ(キム・セロン)が継父ヨンハから暴力を受けているのを目撃する。ドヒの母親はドヒを置いて家を飛び出しており、村唯一の若者であるヨンハの虐待に村の者は見て見ぬふりをしていた。
ドヒは暴力から自分を守ってくれるヨンナムに懐き、ヨンナムがドヒを自宅に引き取り面倒をみることとなるが、継父のヨンハはヨンナムのある秘密を目撃する。
キャスト
受賞とノミネート
賞 | 部門 | 対象 | 結果 |
---|---|---|---|
第51回百想芸術大賞 | 新人監督賞 | チョン・ジュリ | 受賞 |
作品賞 | 『私の少女』 | ノミネート | |
最優秀女優賞 | ペ・ドゥナ | ノミネート | |
最優秀女優賞 | キム・セロン | ノミネート | |
助演男優賞 | ソン・セビョク | ノミネート | |
第54回青龍映画賞 | 新人女優賞 | キム・セロン | 受賞 |
第23回釜日映画賞 | 新人監督賞 | チョン・ジュリ | 受賞 |
主演女優賞 | ペ・ドゥナ | ノミネート | |
助演男優賞 | ソン・セビョク | ノミネート | |
助演女優賞 | キム・セロン | ノミネート | |
第20回春史大賞映画祭 | 主演女優賞 | ペ・ドゥナ | 受賞 |
新人監督賞 | チョン・ジュリ | ノミネート | |
第9回アジア・フィルム・アワード | 主演女優賞 | ペ・ドゥナ | 受賞 |
第30回金鶏奨 | 主演女優賞(国際部門) | ペ・ドゥナ | 受賞 |
第25回ストックホルム国際映画祭 | 最優秀新人映画賞 | 『私の少女』 | 受賞 |
脚注
- ^ a b c d e f g h 私の少女 - IMDb
- ^ “ペ・ドゥナ主演『私の少女』に込めた思いと責任”. 朝日新聞. (2015年5月4日) 2020年2月23日閲覧。
- ^ a b c “【インタビュー】『私の少女』ぺ・ドゥナ、名子役に脱帽「私のほうが子どもっぽい」”. CinemaCafe. (2015年4月27日) 2020年2月23日閲覧。
- ^ “「私の少女」カンヌ国際映画祭で10分間のスタンディングオベーション…新人監督賞の候補に!”. Kstyle. (2014年5月20日) 2020年2月23日閲覧。
- ^ “FILE.21『私の少女』チョン・ジュリ監督インタビュー”. TS TOKYO/トーキョー女子映画部. (2015年3月26日) 2022年10月29日閲覧。
- ^ “映画「私の少女」――窮地に陥る少女と女性警察署長、女性の視点で社会問題描くミステリー”. クリスチャン新聞オンライン. (2015年4月25日) 2020年2月21日閲覧。
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:|url=
の値が不正です。 (説明)⚠ - ^ チョ・ジヨン (2014年5月27日). “映画「私の少女」チョン・ジュリ監督“ペ・ドゥナ&キム・セロンの好演は本当に有り難かったです””. Kstyle. 2025年1月2日閲覧。
- ^ a b c Simon, Nathalie (2014年11月4日). “A Girl at My Door ou les femmes de Corée vues par July Jung” (French). Le Figaro. 2014年11月5日閲覧。
- ^ a b “ペ・ドゥナの興味深い足取り「『私の少女』は衝動的な選択だった」”. Kstyle (2014年5月24日). 2025年1月25日閲覧。
- ^ 서정민 (2023年2月8日). ““학생이 일하다 죽었는데…” 배두나의 분노, 관객을 대변하다”. 한겨레. 2025年1月25日閲覧。
- ^ “「私の少女」ペ・ドゥナ“本当に大切で忘れられない撮影…スタッフと民宿生活した””. Kstyle (2014年4月19日). 2025年1月25日閲覧。
- ^ “東京フィルメックス・コンペティション 第15回東京フィルメックス受賞結果”. 東京フィルメックス. 2025年1月2日閲覧。
外部リンク
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