水唐とは? わかりやすく解説

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水唐

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/06/06 09:32 UTC 版)

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水唐(すいとう)は、中国の伝説上の生物で、水の中に住んでいるとされる[1]水廬[2](すいろ、すいりょ)とも。

の時代に編まれた『通雅』(巻47)に記載されており、子供のような姿で、川の水の中にいる生物・妖怪のようなものとされている。『物類相感志』に記されているとされる木唐(もくとう)は、水と木との誤写から生じたもので、水唐の事であるとされている[3]

特徴が似ていることからか、楊守敬『水経注疏』(巻28)などでは、水唐は『山海経』(中山経)に記されている馬腹(ばふく)[4]と似たものではないかともされている[1][5]。また、水虎(すいこ)とはすなわち水唐のことであると『通雅』では記載されており、それを引用している本草書では水虎と解説が合併されている事が多い。『通雅』では動物のうちの「虫」の部類に挙げられており、このような部類認識は水の中に住む伝説上の存在を「渓鬼虫」などの「虫」に付随して配列する例[3]なども反映されていた。楊守敬『水経注疏』(巻28)や栗本丹州『水虎考』などでは、水唐は水虎を誤字として用いたものであろう[6][7]と考察されているが、双方ともに古代の基礎文献での記述は乏しく、校注書などで相互に対しての引用が用いられているという事実の言及があるのみで明確な前後関係は判明していない。

脚注

  1. ^ a b 伊藤清司 『中国の神獣悪鬼たち 山海経の世界』東方書店 1986年 23-26頁
  2. ^ 水盧、水蘆とも表記され、用いられる文字には揺れが見られる。
  3. ^ a b 小野蘭山 『本草綱目啓蒙』3、平凡社〈東洋文庫〉、1991年、183-184頁。
  4. ^ 『山海経 中国古代の神話世界』高馬三良 訳 平凡社〈平凡社ライブラリー〉、1994年、84頁。
  5. ^ 馬昌儀 『古本山海経図説』 下巻 広西師範大学出版社 2007年 572-574頁
  6. ^ 中村禎里『河童の日本史』 日本エディタースクール出版部 1996年 352頁
  7. ^ 石川純一郎『新版河童の世界』時事通信社 1985年 56-57頁



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