拡大体における双対基底とは? わかりやすく解説

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拡大体における双対基底

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2017/03/14 04:09 UTC 版)

数学線型代数学における双対基底の概念は、体のトレースを用いることで有限次拡大 L/K へと応用することが出来る。ただし、その体のトレースによる TrL/K(xy) が、K 上の非退化二次形式を与えることが必要となる。これはその拡大体が分離拡大である時に満たされる。したがって、K完全体のとき、とくに K が有限体や標数ゼロである時に、自動的に満たされる。

双対基底(dual basis)は多項式基底正規基底のような具体的な基底ではない[疑問点 ]。むしろそれは、計算のための第二の基底を用いる方法を提供する概念である。

L/K を有限次分離拡大とする。

LK-基底とすると、

を満たす基底

が存在する。これをトレース TrL/K に関する B1 の双対基底と言う。

L有限体 GF(qm)、K をGF(q) とすると、体の拡大 L/K の元のトレースは、

と計算される。

L = K (α) を分離拡大とし、f をαの最小多項式、

とする。このとき 1, α, ..., αn−1 と双対な基底は

である。

双対基底を用いることは、基底の変換公式を用いて陽に基底を変換するよりも、異なる基底を用いる手法を簡単に結びつける方法を提供する。さらに、双対基底をもつならば、元の基底のある元から双対基底への変換は、乗法的単位元(通常は 1)の乗算によって達成される。

参考文献

  • Neukirch, J., 『代数的整数論』、足立恒雄 監修、梅垣敦紀 訳、丸善出版、ISBN 978-4-621-06287-6



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