差分の差分法
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/12/08 17:53 UTC 版)
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差分の差分法(さぶんのさぶんほう、英: difference in differences)とは計量経済学や社会学における量的調査において用いられる、観測データによって実験的な研究を模倣するための統計手法である。'Difference-in-Differences'[1] や'DID'[2]、'DD'[3] と呼ばれることもある。差分の差分法は成果(つまり、反応変数や被説明変数)における処置(つまり、説明変数や独立変数)の効果を、処置群における成果変数の時間を通じた平均的な変化と対照群における時間を通じた変化と比較することで計算している。この方法は、あるバイアス(平均回帰バイアスなど)を持っているが、選択バイアスの効果をある程度取り除くことができる。同一被験者による処置効果(つまり時間についての変化を測る)の場合と異なる被験者間による処置効果(つまり処置群と対照群の間の変化を測る)の場合とは対照的に、差分の差分法は異なる時点での処置群と対照群の間の差を取り、さらにその異なる時点の差の差を取る。
一般的な定義

差分の差分法では2時点、もしくはそれ以上の時点で計測されたデータを必要する。図の例において、処置群は線Pで表現され対照群は線Sで表現されている。どちらのグループも処理を受ける前(つまり独立変数もしくは説明変数)の時点1における成果変数(非説明変数)が計測され、点 P1 と S1 で表されている。処置群は処置を受け、両方のグループはその後の時点2において再び測定される。時点2における処置群と対照群の差(つまり、P2 と S2 の差)は処置の効果を説明できない。なぜならば、処置群と対照群は時点1において同じ点から出発したわけではないからである。差分の差分法はそれゆえに二つのグループ間の成果の変数の"普通の"差(もしどちらのグループも処置を受けなかった場合の差)を計測する。その差は点線Qで表される(P1 から Q への傾きは S1 から S2 への傾きと同じである)。処置効果は観測された成果変数と"普通の"成果変数の差(P2 と Q の差)である。
正式な定義
以下のモデルを考える。
- 出典は列挙するだけでなく、脚注などを用いてどの記述の情報源であるかを明記してください。
- Imbens, Guido W.; Wooldridge, Jeffrey M. (2009), “Recent Developments in the Econometrics of Program Evaluation”, Journal of Economic Literature 47 (1): 5–86, doi:10.1257/jel.47.1.5
外部リンク
- How Does Charitable Giving Respond to Incentives and Income? Dynamic Panel Estimates Accounting for Predictable Changes in Taxation, National Bureau of Economic Research, July 2005
- T. Conley and C. Taber, "Inference with "Difference in Differences" with a Small Number of Policy Changes", National Bureau of Economic Research, July 2005
- Difference in Difference Estimation, Healthcare Economist website
- 差分の差分法のページへのリンク