山のロザリア
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/06/14 17:42 UTC 版)
「山のロザリア」(やまのロザリア)という題名で日本で親しまれている歌は、ロシアの古いダンス曲「アレクサンンドロフスキー」(ロシア語: Александровский、英語: Alexandrovsky)に日本語歌詞を付けたものである。別題、「牧場のロザリア」(まきばのロザリア)[1]。
概要
「山のロザリア」の曲は、19世紀のロシアでボールルームダンス用に作らたダンス曲「アレクサンンドロフスキー」(ロシア語: Александровский、英語: Alexandrovsky[2])であるが、作曲者は知られていない。この男女のペアの踊りは、ロシア系ユダヤ人も多いイスラエルでも、最近では日本でも踊る人々がいる[2][3]。
日本語歌詞は1956年に丘灯至夫の詞、織井茂子の歌で「牧場のロザリア」として発表した[1]があまりヒットしなかった。その後、作者不詳の曲として「山のロザリア」という題で歌声喫茶などでよく歌われて評判になり、1961年にサンキョー、コダマ、現代美術社などからソノシートが発売され、キングレコードからは音羽たかしの改詞でレコードを発売[1]。そのさなか、作者不詳とされていた「山のロザリア」と丘灯至夫の詞による「牧場のロザリア」が同一の曲であることが判明する[4]。同年、丘灯至夫の原詞により「山のロザリア」という題で日本コロムビアからスリー・グレイセスと井上ひろしの歌による競作でレコードを発売し、大ヒットした[5][6]。スリー・グレイセス盤はミリオンセラーを記録した[7]。他に、ボニージャックス、ダークダックス、橋幸夫(2008年発売のシングル「いのちのうた(コロブチカ)」に収録)なども歌っている。
丘灯至夫によると、「ロザリア」はカトリックで使われる数珠状の祈りの用具・ロザリオからヒントを得たものだという[1]。ロザリアという女性名は(Rosaria、男性名:ロザリオ Rosario)はロシア系の名前ではなく、むしろイタリア系、スペイン系の名前である。
関連項目
- アレクサンンドロフスキー・ダンス祭り(Александровский бал):ロシア・リペツクで
脚注
- ^ a b c d 「歌謡界うら話 ヒットソング誕生す!」『読切倶楽部』1961年9月号、三世社、74-76頁。NDLJP:1723100/40
- ^ a b Alexandrovsky, Couple dance from Russia, presented by the Noa-am folk dancers - YouTube
- ^ Alexandrrovsky アレキサンドロフスキー -Russia (Couple Dance) - YouTube
- ^ 『コピライト』1961年9月1日号、著作権情報センター、3頁。NDLJP:2696347/2
- ^ 『Music monthly』1962年1月号、月刊ミュジック社、17頁。NDLJP:1761295/14
- ^ 『Music monthly』1962年2月号、月刊ミュジック社、15頁。NDLJP:1761296/11
- ^ Three Graces Official Site
外部リンク
- Alexandrovsky; Family Waltz : Michael Herman's Folk Orchestra (Internet Archive, 1950)
- 山のロザリア - YouTube - 歌:スリー・グレイセス、日本コロムビア提供のYouTubeアートトラック
- 山のロザリア 歌詞と解説 ロシア民謡:忘れられぬ あの日よ 涙ながし別れた 君の姿よ(世界の民謡・童謡)
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