小本章
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生誕 | 1935年(昭和10年)8月14日![]() |
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死没 | 2017年(平成29年) |
国籍 | ![]() |
教育 | 岐阜大学美術工芸科 東京教育大学(現在の筑波大学)構成デザイン研究生課程を修了 |
著名な実績 | 美術、写真 |
受賞 | |
小本 章(こもと あきら、1935年8月14日 - 2017年)は、日本の画家。本名は小本 昌彰(こもと まさあき)。
野外での作品を中心に活動した。景観写真に屋内でのスケッチを組み合わせた作品を制作し、「美術の新しい表現方法の1つ」と評された[1]。
来歴
1935年(昭和10年)8月14日、東京府東京市大森区に生まれる。間もなく母の実家のある岐阜県武儀郡関町(現・関市)に移る。少年期より図画工作を好み、小学校高学年で水彩画コンクールに入賞。中学時代に油絵を学び、祖父所蔵のカメラで写真撮影も始める。
1954年、岐阜大学学芸学部美術工芸学科(現・教育学部美術教育講座)に入学し坂井範一に師事。近代絵画やマティスの色彩論を学ぶ。在学中から日本美術展などに入選。
1958年、岐阜大学を卒業。1962年、東京教育大学(現・筑波大学)構成デザイン研究生課程を修了。
1960年代より絵画・版画・写真を中心に活動。1964年にはグループVAVAの活動に参加し、リオデジャネイロ国立美術館やサンパウロ日本文化センターなどで展覧会を開催。1965年、日本国際アーティスト協会の結成に参加し、カナダ・アメリカへの親善使節団として渡航。この時期、東京・名古屋・京都などで個展やグループ展を精力的に開催した。
1970年、ニューヨーク滞在中にシルクスクリーン技法を学び、版画作品を制作。ベトナム反戦ポスターなど社会性を持つ作品も発表。1971年から1974年まで岐阜教育大学(現・岐阜聖徳学園大学)助教授を務め、並行して講談社フェーマス・スクールズのインストラクターも担当(〜1996年)。1970年代には代々木公園や東京アースデー会場などで環境アートイベントを企画・参加。
1980年代から1990年代にかけてはプラハ、ポーランド、スペイン、パリなどで作品を発表。1981年の「日本の現代美術」展(プラハ)、1983年の「現代美術における写真」展(東京国立近代美術館・京都国立近代美術館)などに出品。1994年から女子美術大学で教育活動に携わる。1996年に京都へ移住。
2003年、美濃加茂市民ミュージアム「坂井範一とゆかりの作家展」に出品。2004年には同ミュージアムで「小本章展」を開催。「自然の色をさがそう」と題したワークショップを主催し、教育活動にも尽力した。
2017年(平成29年)没。
詳細展覧会年譜
- 1964年(昭和39年)
- 7月11日 - 17日:「VAVA小品展」(関商工会議所)
- 8月5日 - 10日:「第5回VAVA展」(文藝春秋画廊、東京)
- 1月22日 - 30日:個展「Paintings」(日本橋、東京)
- 1月27日 - 2月5日:「小本章・後藤昌子二人展」(サトウ輝、東京)
- 3月:「VAVA海外進出記念展」(園市商工会議所)
- 5月:日本国際アーティスト協会結成に参加
- 6月2日 - 16日:「Pintura Japonesa do Grupo VAVA(グループVAVA第1回ブラジル展)」(リオデジャネイロ国立美術館)
※5月23日 - 30日、日本文化センター(サンパウロ、ブラジル)でサンパウロ日本文化協会と共催
- 5月20日 - 7月3日:「アンデパンダン展64」(東京都美術館)
- 8月3日 - 9日:「第6回VAVA展」(文藝春秋画廊、東京)
- 8月10日 - 23日:「現代の精鋭154展」(檜近代画廊、東京)
- 8月22日 - 30日:「第4回中部美術作家進後展」(愛知県文化会館美術館)
- 9月:「VAVA作品展」(岐阜市立図書館)
- 11月20日 - 27日:「第3回国際青年美術家展(ヨーロッパ・日本)」(西武百貨店、東京)
- 1965年(昭和40年)
- 3月2日 - 11日:個展(桜画廊、名古屋)
- 3月3日:長男・亜東武(あとむ)誕生
- 5月17日 - 22日:「VAVA 後藤夫・小本展」(ギャラリー16、京都)
- 5月17日 - 22日:「VAVA小品展」(龍安寺南鄉、京都)
- 6月18日 - 7月25日:「現代美術の動向と型」(国立近代美術館京都分館)
- 6月26日 - 7月2日:「15人の家(第1回日本国際アーティスト協会展)」(愛知県文化会館美術館)
- 7月5日 - 11日:「第7回VAVAグループ展」(文藝春秋画廊、東京)
- 7月5日 - 19日:「アンデパンダン・アート・フェスティバル」(岐阜市民センター、金公園)
- 5月10日 - 25日:「第3回シエル美術賞展」(いとう、東京)※秀作賞受賞
- 5月〜7月:日本国際アーティスト協会のカナダ・アメリカ親善旅行に参加
- 1970年(昭和45年)
- 2月9日 - 14日:「70系と状況の距離の中で」(サトウ画廊、東京)
- 2月〜4月:アメリカ旅行(ニューヨーク滞在中にシルクスクリーン技法を習得)
- 同年:ベトナム反戦ポスターを郵送発表
- 1971年(昭和46年)
- 6月:講談社フェーマス・スクールズ インストラクター就任
- 8月21日 - 29日:「フラワー・イヴェント/人間と大地のまつり」(代々木公園、東京)
- 1972年(昭和47年)
- 5月5日:「輪のイヴェント」(東京アースデー会場、ファミリーパーク)
- 皇学園教育大学(現・岐阜聖徳学園大学)助教授就任(〜1974年)
- 1973年(昭和48年)
- 11月3日 - 14日:「今日の作家'73」(横浜市民ギャラリー)
- 1974年(昭和49年)
- 1月21日 - 26日:個展(シロタ両館、東京)
- 10月31日 - 11月5日:「第5回ラン・プリ展」(サロン、東京)
- 11月6日 - 10日:「シグニファイング・物の表明とともに」(京都市)
- 同年:カラー写真作品の制作開始
- 1980年(昭和55年)
- 「日本グラフィック展」フォトグラフィ部門 特選受賞
- 1981年(昭和56年)
- 「日本の現代美術」展(チェコスロヴァキア国立美術館、プラハ)
- 個展(ヴロツワフ市立写真美術館、ポーランド)
- アメリカ政府給費研修員として渡米
- 1983年(昭和58年)
- 「現代美術における写真」展(東京国立近代美術館、京都国立近代美術館)
※神奈川県立近代美術館賞受賞
- 1984年(昭和59年)
- 「西武美術館版画大賞展」大賞受賞
- 1985年(昭和60年)
- 「ポラロイドによるゼネレーション」展(パリ市立アートパビリオン)
- 「日本現代写真展」(スペイン文化庁主催)
- 1987年(昭和62年)
- 「写真とその周辺」展(ギャラリー16、京都)
- 1990年(平成2年)
- 「大阪トリエンナーレ」絵画部門 デュッセルドルフ市特別賞受賞
- 1995年(平成7年)
- エレクトログラフィア国際美術館 客員芸術家賞(スペイン)
- 2003年(平成15年)
- 「坂井範一とゆかりの作家展」(美濃加茂市民ミュージアム)
- 2004年(平成16年)
- 「小本章展」(美濃加茂市民ミュージアム)
脚注
- ^ “小本章の詳細 - 作家詳細情報 - 徳島県立近代美術館”. art.bunmori.tokushima.jp. 2024年10月20日閲覧。
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