大塚ローテックとは? わかりやすく解説

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大塚ローテック

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/09/23 08:13 UTC 版)

7.5号

大塚ローテック(ŌTSUKA LŌTEC)は日本の腕時計ブランド。創業者兼ブランド代表は片山次朗(現代の名工)。2012年創業[1]

概要

トヨタ車のデザインなどを手がけたプロダクトデザイナー[2] の片山次朗により創業した腕時計ブランド[3]。時計の外装から内部のモジュールに至るまで全て片山が設計を行い、自社で組立を行っている[4]。時計の心臓部にあたるムーブメントMIYOTA社の国産ムーブメントに自社製モジュールを付加している[1]。製造本数が少なく入手は困難を極める[5]。2022年の年間製造本数は70~80本[6]

代表モデル

  • 7.5号

ジャンピングアワーと分ディスク、秒ディスクによる時刻表示を特徴とする腕時計。ムーブメントは MIYOTA82S5 に自社製ジャンピングアワーモジュールを搭載している[1]。2023年6月より仕様変更。旧モデル7.5号から、動作安定性と耐久性の向上を図るために設計、使用素材、加工方法を改良。また、外装のケース素材をSUS303からSUS316Lに、風防をミネラルガラスからサファイアクリスタルガラスに、そしてアワー表示のレンズもアクリルから特注サファイアレンズに変更。更にブランドロゴを刻印した尾錠と専用デザインのストラップを採用した。新仕様の7.5号のシリアル番号0番はラ・ショー=ド=フォンスイス)にある 国際時計博物館 の収蔵品である[6][7]。2023年10月には国立科学博物館の理工学研究部 科学・技術史資料として保存されることが発表された[8]。2024年、iFデザイン賞を受賞した[9]

  • 7号

ジャンピングアワーと分ディスク、秒ディスクによる時刻表示を特徴とする腕時計。分ディスクと秒ディスクが同軸上に配置されている[10]。ムーブメントはMIYOTA82S5に自社製ジャンピングアワーモジュールを搭載している[1]

  • 6号

2015年から販売。2024年1月に新6号を発表。レトログラード機構の時分針による時刻表示を特徴とする腕時計。ムーブメントはMIYOTA9015に自社製レトログラードモジュールを搭載している[1]。2024年にはジュネーブ・ウオッチメイキング・グランプリ(GPHG)のチャレンジ部門にノミネートされ[11]、同部門のグランプリを受賞した[12]

  • 5号改

2025年1月発表。サテライトアワー機構による時刻表示を特徴とする腕時計。ムーブメントはMIYOTA90S5に自社製サテライトアワーモジュールを搭載している[1]。2025年にはジュネーブ・ウオッチメイキング・グランプリ(GPHG)のプティ・エギーユ部門にノミネートされた[13]

  • 5号

2012年より2022年まで販売。レギュレーターによる時刻表示を特徴とする腕時計。ムーブメントはMIYOTA8215をレギュレーター化している[1][14]

創業者・片山次朗

創業者の片山次朗はプロダクトデザイナーとして活動中に独学で時計製造を学び、2012年より「大塚ローテック」のブランド名で腕時計の販売を開始した[4]

1993年東京コミュニケーションアート専門学校卒業[15]

1993年よりトヨタ車のデザイン開発を担当(カローラアルテッツァファンカーゴなど)[15]

1998年プロダクトデザイナーとして独立[15]

2008年、デザインを手がけたカメラレンズ(タムロン)がグッドデザイン賞受賞[16]。同年、独学で時計製作について学んだ後、時計製作開始[1]。2008年から2012年の間に1号~5号を作成。

2012年、大塚ローテックの腕時計の一般販売開始[4]。当初は5号(旧)のみ販売。その後、6号(旧)、7号(旧)、7.5号(旧)を2022年までに約400本販売。

2024年厚生労働省が定める令和6年度「卓越した技能者(現代の名工)」に選出[17]

脚注

  1. ^ a b c d e f g h 大塚ローテックホームページ”. otsuka-lotec TOKYO JAPAN. 2025年9月10日閲覧。
  2. ^ プロダクトデザイナーWebサイト一覧”. Product Design Web. 2023年3月9日閲覧。
  3. ^ octane”. SHIRO (2023年5月27日). 2023年6月5日閲覧。
  4. ^ a b c 『モノマガジン9/16』ワールドフォトプレス、20120901 エラー: 日付が正しく記入されていません。(説明、88頁。 
  5. ^ “ひとりメーカー続々”. 東京新聞: p. 28. (2013年2月17日) 
  6. ^ a b 『クロノス日本版』シムサムメディア、20230602 エラー: 日付が正しく記入されていません。(説明、111頁。 
  7. ^ 大塚ローテック「7.5号」 抽選販売の応募開始 シリアル0番は国際時計博物館(MIH)の収蔵品へ”. WatchMediaOnline (2023年5月27日). 2023年5月29日閲覧。
  8. ^ 大塚ローテックの腕時計「7.5号」、国立科学博物館で保存へ”. 東京時計精密株式会社 (2023年10月2日). 2023年10月2日閲覧。
  9. ^ iF Design”. iF Design (2024年2月28日). 2024年2月29日閲覧。
  10. ^ Jiro-Katayama (ŌTSUKA LŌTEC) Twitter” (2023年5月25日). 2023年6月5日閲覧。
  11. ^ GPHG”. Fondation du Grand Prix d'Horlogerie de Genève (2024年8月28日). 2024年8月28日閲覧。
  12. ^ GPHG”. GPHG (2024年12月2日). 2024年12月2日閲覧。
  13. ^ Nominated timepieces, 2025 Edition | GPHG” (フランス語). www.gphg.org. 2025年9月10日閲覧。
  14. ^ 大塚ローテック5号”. Youtube (2012年6月6日). 2023年3月9日閲覧。
  15. ^ a b c 片山 次朗 – ktymd –”. AppliCraft. 2023年3月9日閲覧。
  16. ^ 35mmフルサイズデジタル一眼レフカメラ用交換レンズ”. GOOD DESIGN AWARD. 2023年6月27日閲覧。
  17. ^ 卓越した技能者(現代の名工)”. 厚生労働省 (2024年11月8日). 2024年11月8日閲覧。

外部リンク




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