反復積分に関するコーシーの公式
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2015/10/29 09:33 UTC 版)
フランスの数学者、コーシーの名にちなむ反復積分に関するコーシーの公式(英: Cauchy formula for repeated integration)は、n回の不定積分を一度の積分にまとめる公式である。
実数の場合
f を実軸上の連続関数とする。このとき、aを基点とするf のn回繰り返し積分
,
は、次の単一の積分にまとめられる。
.
証明は数学的帰納法による。f は連続なので、n=1のときは微分積分学の基本定理より、
;
ここで、
.
今、nのとき主張が正しいと仮定し、n+1のときも主張が成立することを示そう。帰納法の仮定を適用し、積分の順序を入れ替えて、
よって、主張は示された。
応用
分数階微積分学において、この公式を用いることで、微分または積分を実数回繰り返すことができるので、微積分作用素の概念を構築することができる。実際、実数回だけ積分をするためには、この公式の(n-1)!をΓ(n)と入れ替えれば良い。(ガンマ関数も参照)。
参考文献
- Gerald B. Folland, Advanced Calculus, p. 193, Prentice Hall (2002). ISBN 0-13-065265-2
外部リンク
- Alan Beardon (2000年). “Fractional calculus II”. University of Cambridge. 2015年10月29日閲覧。
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