井上辰夫とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > 百科事典 > 井上辰夫の意味・解説 

井上辰夫

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/11/04 02:17 UTC 版)

井上 辰夫(いのうえ たつお、1916年 - 1997年)は、福島県出身の日本画家京都府船井郡瑞穂町(現・京丹波町)で暮らしながら、隣町に建設予定の日吉ダムで沈むことになった天若地区に3年通いつめ、住民や民家の情景を油絵で描写したことで特に知られている。

経歴

1916年、福島県岩瀬郡稲田村(現・須賀川市)で生まれる。1934年、福島県立岩瀬農学校(現・福島県立岩瀬農業高等学校)卒業後、画家を志して上京、東京の本郷絵画研究所に入り岡田三郎助東京美術学校教授)に師事した。翌年、日本大学専門部芸術科(現・日本大学藝術学部)に入学、木村荘八に指導を受けたが1937年に大学を中退し兵役に就かざるをえなかった。

太平洋戦争後の1946年に復員すると妻の実家のある京都府船井郡瑞穂町(現・京丹波町)に移住。京都美術研究所で須田国太郎に師事し、さらに1954年には中央美術学園に入り郡山三郎から指導を受け、1955年に卒業した。1985年頃から日吉ダム建設で沈む予定の天若地区の風景を描き始め、1997年、ダム完成を待たず病気により死去[1]

主な作品

※出典は日吉町郷土資料館『井上辰夫-消えゆく風景をキャンバスに-』による。

  • 『万燈山』(第17回独立展入選)
  • 『兎のマラソン』(第2回スポーツ芸術展入選)
  • 『聖火を運ぶ兎』(第3回アジア競技大会芸術展入選)
  • 『ダリヤ』(第19回福知山市展奨励賞受賞)
  • 『日吉ダムで消える天若の民家』(サロン・ド・パリ賞受賞)
  • 『日吉ダムで消える天若の学舎』(南丹市日吉町郷土資料館所蔵)

脚注

  1. ^ 『井上辰夫-消えゆく風景をキャンバスに-』(南丹市日吉町郷土資料館展示会図録)日吉町郷土資料館, 2007

参考資料

  • 『井上辰夫-消えゆく風景をキャンバスに-』(南丹市日吉町郷土資料館展示会図録)日吉町郷土資料館, 2007
  • 井上辰夫「日吉ダムで消える天若の家」『丹の街』6号 pp.46-47 亀岡市: 岡崎写真企画,1986
  • 井上辰夫「天若の風景『丹の街』9号 pp.91-93 亀岡市: 岡崎写真企画,1987



英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「井上辰夫」の関連用語

井上辰夫のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



井上辰夫のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアの井上辰夫 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS