事業報告とは? わかりやすく解説

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事業報告

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/02/21 22:52 UTC 版)


事業報告(じぎょうほうこく)とは、会社法に基づき、株式会社に作成することが義務付けられている一事業年度に係る「年次報告書」のこと。

概要

根拠法令

作成の義務

  • 株式会社は、事業報告の作成義務を負う。(会社法第435条第2項)
  • 事業報告の具体的な内容については、委任省令の会社法施行規則(以下、「会規」)で詳細に定められている。

方法

  • 書面のほか、電磁的記録による方法で作成することができる。(会社法第435条第3項)

記載内容

  1. 基本(すべての株式会社が記載を求められる事項:会規第118条)
    1. 会社の状況に関する重要な事項
    2. 業務の適正性を確保するための体制の内容の概要
  2. 事業年度末日において公開会社である場合(会規第119条乃至第123条)
    1. 現況に関する事項
    2. 会社役員に関する事項
    3. 株式に関する事項
    4. 新株予約権等に関する事項
  3. 社外役員を設けた場合(兼務状況と活動状況:会規第124条)
    1. 他の会社の業務執行取締役等である場合、その事実と会社と当該他の会社との関係
    2. 他の会社の社外役員である場合、その事実・兼職の状況
    3. 取締役会監査役会)への出席状況と、そこでの発言状況等々
  4. 会計参与設置会社の場合(契約内容の概要:会規第125条)
  5. 会計監査人設置会社の場合(会規第126条)
    1. 会計監査人の氏名又は名称・報酬(非監査業務がある場合は、その報酬)
    2. 会計監査人の解任または不再任の方針
    3. 責任限定契約を締結している場合は、その内容の概要
  6. 会社の支配に関する基本方針を定めている場合(会規第127条)
    1. 基本方針の内容
    2. 基本方針の実現のための取り組み・他者による支配防止の取り組み
    3. 取り組みが、基本方針に沿って・株主共同の利益を害さず・会社役員の保身に該当しない、と判断した理由

附属明細書

  • 旧商法下では1つだった附属明細書が、会社法に伴い「事業報告の附属明細書」と「計算書類の附属明細書」へと分離した。

根拠法令

内容

  1. 事業報告の内容を補足する重要な事項
  2. 公開会社である場合
    1. 他の会社の業務執行取締役等を兼務している役員の、兼務の明細

改正により廃止された記載内容

保存

  • 作成したときから10年間、保存しなければならない。(会社法第435条第4項)

監査

  • 監査役設置会社の場合、監査役の監査を受けなければならない。(会社法第436条) ただし、旧商法において必要とされた会計監査は不要となっている。
  • 監査役監査を受けた事業報告および附属明細書は、取締役会の承認を得なければならない。旧商法下では、監査の前に取締役会による計算書類の承認が必要とされていたが、効率的な運用のため監査前承認は法的に不要となっている。

株主への提供

株主総会への提出

  • 取締役は、監査を経た事業報告定時株主総会に提供または提出し、その内容を報告しなければならない。(会社法第438条)

罰則

  • 事業報告を作成しない、または虚偽の内容で作成した場合には、代表者である取締役等が100万円以下の過料に処される。(会社法第976条第1項第7号)

関連項目



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