乾坤弓とは? わかりやすく解説

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乾坤弓

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/08/13 06:14 UTC 版)

乾坤弓(けんこんきゅう)は、中国の神怪小説『封神演義』に登場する上古の神器。黄帝蚩尤討伐に用いた弓で、後に陳塘関の鎮関の宝として伝承された。

概要

  • 起源:黄帝が泰山の南の烏号の柘・燕牛の角・荊麋の弭・河魚の膠を材料に製作[1]
  • 機能:専用の震天箭(3本)と組み合わせて使用。射たれた矢は対象に命中するまで飛び続ける「必中属性」を持つ[1]
  • 霊力:黄帝の血脈を持つ者のみが使用可能とされ、哪吒がこれを継承[2]

来歴

  1. 上古時代:黄帝が蚩尤軍を撃破した際、「三箭で敵陣を崩壊させた」と伝わる[1]
  2. 商朝:陳塘関総兵・李靖が保管。城楼に安置され「千年間誰も引き絞れず」とされた[1]
  3. 哪吒の事件:修行中の哪吒が試し撃ちし、震天箭が千里外の碧雲童子を誤射。これが石磯娘娘との抗争の発端となる[1]

特徴

項目 内容
材質 柘木・牛角・麋筋・魚膠の神獣素材[1]
象徴性 黄帝の権威と東夷勢力への抑圧[3]
弱点 仙界の高位存在には無効(例:石磯娘娘)[1]

登場作品

  • 封神演義』(第12-13回)[1]
  • アニメ『哪吒鬧海』(1979年・中国)
  • 小説『西遊記』関連解釈書(天蓬元帥の副武器説)[4]

関連項目

脚注

  1. ^ a b c d e f g h 許仲琳(明代) (1995). 封神演義. 中国古籍出版社. pp. 第12-13回 (日本語版:二階堂善弘訳『封神演義』、講談社、2005年)
  2. ^ 田中桃子 (2018). “封神演義における血統と神器の関係”. 東アジア神話研究 (早稲田大学出版部) 15: 45-60. 
  3. ^ 中国神話の武器体系”. 日本神話学会. 2023年10月5日閲覧。
  4. ^ 山本太郎 (2020). 西遊記と封神演義の神器比較. 京都大学出版会. pp. 112-115 



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