一式旋回機関銃
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/04/18 16:14 UTC 版)
![]() 米軍資料に掲載の一式旋回機関銃。 | |
一式旋回機関銃、一〇〇式旋回機銃 | |
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種類 | 航空機関銃 |
製造国 |
![]() |
設計・製造 | 名古屋陸軍造兵廠 |
年代 | 1940年代 |
仕様 | |
口径 | 7.92 mm |
銃身長 | 630 mm[1] |
ライフリング | 4条右回り |
使用弾薬 |
7.92 mm×57 一式実包 |
装弾数 | 100 発(サドル形ドラム弾倉) |
作動方式 | ガス圧作動方式 |
全長 | 1,051 mm[2] |
重量 |
15 kg(弾倉無し)[3] 弾倉(空) 3.5 kg |
発射速度 | 1800~2200 発/分[1] |
銃口初速 | 750~780 m/s[1] |
歴史 | |
製造期間 | 1941年~ |
配備先 |
大日本帝国陸軍(一式旋回機関銃) 大日本帝国海軍(一〇〇式旋回機銃) |
関連戦争・紛争 | 太平洋戦争 |
製造数 | 3,600以上[4] |
一式旋回機関銃は、昭和16年(1941年)に制式化された、日本陸軍が開発した空冷式双連旋回機関銃である。八九式旋回機関銃の後継である。略号はテ3[5]で、資料によって呼ばれ方が異なる[6]。
概要
本銃は八九式旋回機関銃の欠点を補うために開発された。八九式旋回機関銃の大型の扇形弾倉は風圧の影響が大きく、射手の手も凍傷になるなどの問題もあり、陸軍航空本部はドイツから購入していたMG 15 機関銃のサドルバッグ式弾倉と、どちらが機関銃に適し、その利用度や操作性も併せて試験した。その結果、サドルバッグ式の方がバランスよく、射手も操作性が良好であると分かり、これを制式化して装備することになった。しかし、そのまま八九式旋回機関銃への弾倉交換では、銃の機関部や薬室などへの給弾方法がスムーズにゆかず、新たに機関銃を開発して装備搭載することとなった。これが一式旋回機関銃である。[7]
この銃は九七式車載重機関銃[注釈 1]の一部を改造して横に二銃並列にしたものである[8][注釈 2]。使用弾薬には九八式旋回機関銃と同じ7.92x57mmモーゼル弾を採用した。
当初は一〇〇式旋回機関銃として生産されたが、後に一〇〇式旋回機関銃に銃床を追加したものを一式旋回機関銃として採用した。
100発入りサドル(鞍鞄)型ダブルドラム弾倉を採用。単装用の九八式旋回機関銃の物に似ているが、連装用にダブルドラム弾倉中央部に送弾口が2つあった。
九九式双発軽爆撃機や百式重爆撃機、キ66に搭載された[9]。
日本海軍も一〇〇式旋回機銃の制式名で採用した。日本海軍の一式七粍九旋回機銃(MG15の国産版)とは全くの別物なので注意を要する。
脚注
注釈
- ^ 九七式車載重機関銃はブルーノZB26軽機関銃をベースにしている。
- ^ 「九八式旋回機関銃を並列にしたもの」とする資料があるが、誤りである。
出典
参考文献
- 須川薫雄『日本の機関銃』、SUGAWA WEAPONS社、2003年。
- 第五十一航空師団『東海軍管区航空兵器現状表』昭和20年。アジア歴史資料センター A03032135000
- 兵器局銃砲課『現地修理班派遣に関する件』昭和17年。アジア歴史資料センター C01000438500
- Ken Elks, Japanese Ammunition 1880-1945: Pistol, Rifle and Machine-gun Ammunition up to 20mm, Vol. 1, Solo Publications, 2007. ISBN 0-9551862-2-6
- Office of the Chief of Ordnance, Catalog of Enemy Ordnance Materiel, Vol. 2, 1945.
- 『ミリタリー・クラシックス Vol.55 2016年秋号』イカロス出版、2016年12月。
- 高橋昇『日本陸軍の機関銃砲』光人社NF文庫、2017年10月。ISBN 978-4-7698-3031-3。
- 佐山二郎『日本陸軍航空武器 機関銃・機関砲の発達と変遷』光人社NF文庫、2021年1月。ISBN 978-4-7698-3197-6。
関連項目
固有名詞の分類
航空機関砲 |
MG 131 機関銃 ホ155-II 一式旋回機関銃 ホ402 ブレダSAFAT機関銃 |
機関銃 |
MG 131 機関銃 ホ155-II 一式旋回機関銃 ホ402 ブレダSAFAT機関銃 |
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