ムギネ酸の生合成系
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/06/10 01:42 UTC 版)
まず、ニコチアナミンシンターゼ (EC 2.5.1.43) によって3分子のS-アデノシル-L-メチオニン (SAM) から1分子のニコチアナミンが合成される。次に、ニコチアナミンアミノトランスフェラーゼ (EC 2.6.1.80) によってニコチアナアミンから3''-デアミノ-3''-オキソニコチアナミンに変換される。そして、3''-デアミノ-3''-ニコチアナミンレダクターゼ (EC 1.1.1.285) によって3''-デアミノ-3''-オキソニコチアナアミンから2'-デオキシムギネ酸に還元され、最後に、2'-デオキシムギネ酸-2'-ジオキシゲナーゼ (EC 1.14.11.24) によって2'-デオキシムギネ酸からムギネ酸に変換される。これらの酵素遺伝子はオオムギより単離されている。 オオムギはムギネ酸の根からの分泌能力が高いので、アルカリ土壌中でも良く生育できるが、イネやトウモロコシでの分泌能力は低く、アルカリ土壌中での生育は困難である。そこで、アルカリ土壌中でも生育できるイネの開発を目的として、イネのムギネ酸生合成系が強化された鉄欠乏耐性イネが開発されている。上記の遺伝子をイネに導入したところアルカリ土壌における鉄欠乏に耐性を示した。現在、様々な遺伝子を導入されたイネが試験栽培されている。
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