マークI手榴弾とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > 百科事典 > マークI手榴弾の意味・解説 

マークI手榴弾

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/11/25 10:20 UTC 版)

マークI手榴弾
The Mk 1 grenade
種類 時限信管式手榴弾
原開発国 アメリカ合衆国
運用史
配備期間 1917年-1918年
配備先 アメリカ合衆国
関連戦争・紛争 第一次世界大戦
開発史
開発期間 1917年
製造期間 1917年-1918年
諸元
信管 摩擦式時限信管
テンプレートを表示

マークI手榴弾(マークワンしゅりゅうだん、Mk I Grenade、あるいはMk 1 grenade)は第一次世界大戦中のアメリカで採用された破片手榴弾。設計者によれば、「最も単純」(simplest)かつ、最も「信頼しうる」(fool-proof)手榴弾であったという[1]。しかし実戦で致命的な問題が発生したため、第一次世界大戦終結前に制式手榴弾の座を退いた。

概要

マークI手榴弾は時限信管式の破片手榴弾であり、表面には32個の刻み目がある。安全レバーを押さえたままで安全ピンを抜き、信管頭頂部の保護カバーを外すと使用状態になる。投擲するなどレバーから手を放すとバネの力でレバーが外れ、次いで撃鉄がキャップ部を押しこむことによって時限信管が作動する。

歴史

第一次世界大戦に参戦した時点で、アメリカは独自の破片手榴弾の開発に着手していなかった。そのため、アメリカ軍ではしばしばイギリス製のミルズ型手榴弾フランス製のF1手榴弾が支給されていた[2]。アメリカにおける手榴弾の開発は、F1手榴弾を参考とする形で始められた[3]。こうして完成した国産手榴弾は、マークI手榴弾の名称で1917年に採用された。

しかし実戦に投入されると、直ちに致命的な欠陥が露呈した。マークI手榴弾の信管は構造上極めて信頼性が低く、投擲後も正確に点火せずそのまま投げ返されるという事例が相次いだ。さらにこれらの不発弾は、投げ返された際に点火・爆発することのほうが多かったと言われている[4]。この重大な欠陥を理由にマークI手榴弾は採用後まもなく生産中止となった。

その後、マークI手榴弾を改良したマークII手榴弾が設計されたものの、採用前に第一次世界大戦は終結した。在庫となっていたマークI手榴弾の部品や工場設備はマークII手榴弾の製造のために転用された。

脚注

外部リンク




英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「マークI手榴弾」の関連用語

マークI手榴弾のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



マークI手榴弾のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのマークI手榴弾 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS