マズルカ作品59 (ショパン)とは? わかりやすく解説

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マズルカ作品59 (ショパン)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/08/22 20:30 UTC 版)

フレデリック・ショパンマズルカ作品59(マズルカさくひんごじゅうきゅう)は、1845年に作曲された3つのマズルカ作品ジョルジュ・サンドノアンの館で作曲された[1]。死の4年前という状況の中で、あからさまな民俗臭や、洗練された形式美にもそれぞれ距離を置いた陰りのある曲想で、作者の個性を反映している。献呈先はなし。

作品59-1

マズルカ第36番、イ短調[1]

クヤヴィアクのリズムで書かれ、哀愁漂う曲となっている[1]。冒頭に現れるE-H-C-A-H-Gis-Eの主題は順次進行を避け、下行と上行の跳躍が混ざった音型になっている[1]。この主題が転調していき、中間部はでは同主調イ長調に転調し、半音階を巧みに使った右手声部が現れる[1]。これを利用して、主題再現部の遠隔調の嬰ト短調への転調を簡単に連絡している。

作品59-2

マズルカ第37番、変イ長調[1]

マズルのリズムで書かれ、かわいらしく洗練されたワルツ[1]。右手では、単旋律と6度音程の重音部分が交替に現れる[1]。再現部での左手での旋律線は巧妙な変奏である。コーダでは作者の常套手段である半音階的下降が美しい。自筆譜では1枚の五線紙にすべて書き込まれている。

作品59-3

マズルカ第38番、嬰ヘ短調[1]ヒラーに贈呈した自筆譜ではト短調で書かれているが、出版する際の自筆浄書譜では嬰ヘ短調に移調させている[2]

Vivaceの指示からも分かるように、急速な踊りであるオベレクのリズムが用いられ、短調でも晴れ晴れしている[1]。中間部では嬰ヘ長調に転調し、左手に対旋律的な動きが現れる[1]

脚注

出典

  1. ^ a b c d e f g h i j k 湯浅 2020, pp. 49.
  2. ^ 下田 2020, pp. 53.

参考文献

  • 湯浅玲子「ショパンのポロネーズ、マズルカとは。」『ショパン』第37巻第8号、株式会社ハンナ、2020年8月、46-49頁。 
  • 下田幸二「ショパンコンクールの「版」の秘密 ポロネーズ・マズルカ編」『ショパン』第37巻第8号、株式会社ハンナ、2020年8月、52-53頁。 

関連項目

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