ホムンクルスの誤謬
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/03/24 07:58 UTC 版)
無限後退に陥る別の有名な議論として「ホムンクルスの誤謬」と呼ばれる議論がある。 問い:目や耳から脳に入った情報を見たり、聞いたりできているのはなぜか。 説明:それは脳の中にいる小人(ホムンクルス)が、脳の活動を観察しているからだ。 こうして脳の中に小人が居ることが示唆される。しかしこの説明はすぐに無限後退に陥る。次のようにである。 問い:しかしその小人が、自分の目や耳から自分の脳に入った情報を見たり、聞いたりできているのはなぜか。 説明:それはその小人の脳の中に、更にちいさい別の小人Aがいて、その小人Aが小人の脳の活動を観察しているからだ。 この説明の過程は終わりなく続く。人間の脳の中には小人がいて、その小人の脳の中には小人Aがいて、その小人Aの脳の中には小人Bがいて、その小人Bの脳の中には小人Cがいて、その小人Cの脳の中には小人Dがいて、・・・・(以下略)。 また、ルイス・キャロルのあらわした『亀がアキレスに言ったこと』は、(タイトルから察せられるように)ゼノンのパラドックスとの類似性を示した例でもある。
※この「ホムンクルスの誤謬」の解説は、「無限後退」の解説の一部です。
「ホムンクルスの誤謬」を含む「無限後退」の記事については、「無限後退」の概要を参照ください。
- ホムンクルスの誤謬のページへのリンク