フルトン_(浮き砲台)とは? わかりやすく解説

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フルトン (浮き砲台)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/01/16 05:52 UTC 版)

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艦歴
起工: 1814年
進水: 1815年
就役: 1816年
退役: 1829年6月4日、爆発事故により破壊
性能諸元
排水量: 基準:1,450 トン
全長: 153 ft 2 in (46.69 m)
全幅: 58 ft (18 m)
吃水: 13 ft (4.0 m)
機関: 蒸気機関
最大出力: 120 shp
最大速力: 5.5 ノット
兵装: 32ポンド砲 30門
100ポンド コロンビヤード砲 2門[1]

フルトン(USS Fulton)は、世界初の蒸気機関により推進するアメリカ合衆国軍艦である。米英戦争の際にイギリス海軍からニューヨーク港を守るための浮き砲台として建造されたが、竣工前に戦争が終結したため、実戦で使われることはなく、また以降同様のコンセプトの艦船も建造されなかった。

艦歴

設計者ロバート・フルトン

1814年3月9日、アメリカ合衆国議会は、北米の商用汽船の先駆者であるロバート・フルトンの設計による蒸気軍艦の建造を承認した。1814年6月20日に民間の造船所アダム・アンド・ノア・ブラウン英語版で起工し、1815年10月29日に進水した。公試の後、1816年6月にアメリカ海軍にて就役した。船は公式には命名されなかった。フルトンはこの船を「デモロゴス」(DemologosまたはDemologus)と呼んでいた。1815年2月25日のフルトンの死後、船は彼を讃えてフルトン(Fulton)と命名された。

竣工した時すでに、フルトンが戦力として投入されるはずだった戦争は終結していた。大統領ジェームズ・モンローを乗せてニューヨーク港内を案内したのが、フルトンが行った唯一の任務だった。1821年、フルトンは艤装が撤去されて予備艦となった。1825年以降、フルトンはブルックリン海軍工廠の浮き兵舎として使用された。1829年6月4日、停泊中に火薬が爆発し、フルトンの艦歴は突然終了した。この事故で48人が死亡した[2][3]

設計

フルトンは独自の革新的な設計をしていた。双胴船であり、外輪は2つの船体の間に設けられた。各船体は砲撃からの保護のために5 ft (1.5 m)の厚さで作られた。各船体の喫水線下に取り付けられた蒸気機関により、好条件で5.5ノット (10.2 km/h)の速度を達成することができた。32ポンド砲30門(舷側24門、艦首・艦尾に6門)が搭載できるように設計されていたが、海軍は十分な数の砲の入手に問題があったため、実際の運用中に搭載された砲の数はまちまちだった。また、100ポンドのコロンビヤード砲が前後に1門ずつ搭載されていた。

米国政府に当初提示されたデモロゴス(フルトン)の三面図。実際に建造された船は、この初期の提案とは大きく異なっていた。

ロバート・フルトンの設計は、外輪を動力とする軍艦につきものの問題をいくつか解決し、これがその後の軍艦への外輪船の採用につながった。外輪を2つの船体に挟んで中央に配置することで、砲火から保護した。また、この設計により舷側いっぱいに舷側砲を装備できるようになった。

脚注

  • Canney, Donald L. The Old Steam Navy, Volume One: Frigates, Sloops, and Gunboats 1815-1885. Annapolis, Maryland: Naval Institute Press, 1990. 0-87021-004-1
  • Lambert, Andrew "The Introduction of Steam" in Gardiner (ed) Steam, Steel and Shellfire: The Steam Warship 1815-1905, Conway, London 1992. 0-85177-608-6
  • "Fulton", US Navy Historical Center, retrieved 25 June 2007

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