ビブリアヘブライカシュトゥットガルテンシアとは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > ウィキペディア小見出し辞書 > ビブリアヘブライカシュトゥットガルテンシアの意味・解説 

ビブリア・ヘブライカ・シュトゥットガルテンシア

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/05/19 02:49 UTC 版)

ビブリア・ヘブライカ・シュトゥットガルテンシアの表紙

ビブリア・ヘブライカ・シュトゥットガルテンシア』(Biblia Hebraica Stuttgartensia;略称BHS)は、レニングラード写本に保存されたヘブライ語聖書マソラ写本の版であり、マソラ本文と本文批評の注釈の付録が載せられている。シュトゥットガルトのドイツ聖書協会により発行され、日本では日本聖書協会から販売されている。

影響力

BHSはヘブライ語聖書の正確な版として、また批評本文の便利な道具として(キリスト教徒やユダヤ人から)広く受け入れられている。また、聖書学者間で最も広く使われている版でもある。とはいえ、イスラエルとユダヤの学者たちは、マソラ本文に細部の違いがあるため、アレッポ写本に基づいた別の版の方に顕著な好みを示す。

出版の経歴

BHSはルドルフ・キッテルが編纂した『ビブリア・ヘブライカ』(Biblia Hebraica;BHK)の改訂版である。BHKはその初期から、レニングラード写本に基づいて印刷された聖書であった。BHSの脚注は完全に改訂された。BHSは1977年に1冊にまとめられ、その後幾度も再刷された。

内容

BHSの本文はレニングラード写本に記されたマソラ本文の(わずかな誤写を除けば)正確な複写である。ヘブライ語聖書各書の順番はレニングラード写本に倣っており、聖文書(ケトゥーヴィーム)でさえ、最も一般的なものの順番とは異なっている。そのため、ヨブ記が詩篇と箴言の間にあり、五つの巻物はルツ記雅歌伝道の書哀歌エステル記の順に並んでいる。しかし、歴代誌はユダヤ人の一般的なヘブライ語聖書と同様、巻末に移されており、レニングラード写本では、詩篇より重視されている。

欄外に書かれているのはマソラである。マソラはレニングラード写本に基づいているが、より一貫して分かりやすくなるよう他より重点的に編集してある。また、脚注にはマソラ本文の読みを説明するための校正案が多数記されている。その多くはサマリア五書死海文書、または七十人訳ウルガタ訳ペシタ訳といった初期キリスト教の聖書翻訳に基づいている。他にもこれに類した校訂文が用いられている。しかしながら、一見すると校正者にとって矛盾しているように読め、校正案が脚注に提案されている箇所であっても、ウガリット語など他のセム系言語との音韻論的比較研究を緻密に行うことで矛盾を説明でき、マソラ本文の正確性が再確認される場合もある。従ってBHSの脚注を参照する場合には、そのような点に注意する必要がある。

改訂版は『ビブリア・ヘブライカ・クインタ』もしくは「5番目のヘブライ語聖書」と呼ばれ、現存するBHSの改訂版となっている。

参考文献

  • BHS各版
  • BHS関連文書
    • Kelley, Page H, Mynatt, Daniel S and Crawford, Timothy G: The Masorah of Biblia Hebraica Stuttgartensia: Eerdmans, 1998
    • Mynatt, Daniel S: The Sub Loco Notes in the Torah of Biblia Hebraica Stuttgartensia: Bibal Press, 1994
    • Wonneberger, R: Understanding BHS: Biblical Institute Press, 1984
    • E.ヴュルトヴァイン著、鍋谷 堯爾・本間 敏雄訳、『旧約聖書の本文研究 オンデマンド版 「ビブリア・ヘブライカ」入門』、日本キリスト教団出版局、2007年出版 ISBN 978-4-8184-5068-4
    • Introduction to the Massoretico-Critical Edition of the Hebrew Bible by C.D. Ginsburg

ビブリア・ヘブライカ・シュトゥットガルテンシア(Biblia Hebraica Stuttgartensia)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2018/01/08 02:50 UTC 版)

ビブリア・ヘブライカ」の記事における「ビブリア・ヘブライカ・シュトゥットガルテンシア(Biblia Hebraica Stuttgartensia)」の解説

BHSビブリア・ヘブライカ・シュトゥットガルテンシアは、現在第5版1977年版が最新版である この項目は、書籍関連した書きかけの項目です。この項目を加筆・訂正などしてくださる協力者求めています(PJ出版PJ書物/P書物)。項目が文学作品場合には {{Lit-stub}} を、漫画場合には {{Manga-stub}} を貼り付けてください

※この「ビブリア・ヘブライカ・シュトゥットガルテンシア(Biblia Hebraica Stuttgartensia)」の解説は、「ビブリア・ヘブライカ」の解説の一部です。
「ビブリア・ヘブライカ・シュトゥットガルテンシア(Biblia Hebraica Stuttgartensia)」を含む「ビブリア・ヘブライカ」の記事については、「ビブリア・ヘブライカ」の概要を参照ください。

ウィキペディア小見出し辞書の「ビブリアヘブライカシュトゥットガルテンシア」の項目はプログラムで機械的に意味や本文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。 お問い合わせ


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

ビブリアヘブライカシュトゥットガルテンシアのお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



ビブリアヘブライカシュトゥットガルテンシアのページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのビブリア・ヘブライカ・シュトゥットガルテンシア (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。
ウィキペディアウィキペディア
Text is available under GNU Free Documentation License (GFDL).
Weblio辞書に掲載されている「ウィキペディア小見出し辞書」の記事は、Wikipediaのビブリア・ヘブライカ (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS