ヒュー・ウィリアムズ (都市伝説)とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > 百科事典 > ヒュー・ウィリアムズ (都市伝説)の意味・解説 

ヒュー・ウィリアムズ (都市伝説)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2016/05/19 16:06 UTC 版)

ヒュー・ウィリアムズ (Hugh Williams, Hue Williams) は、海難事故に関するイギリス都市伝説に登場する人物の名前[1][2][3]。この名前の人物をめぐる話は、英語では「The Legend of Hugh Williams(ヒュー・ウィリアムズの伝説)」、「The Unsinkable Hugh Williams(沈むことのないヒュー・ウィリアムズ)」[1]、あるいは「The Strangest Coincidence Ever Recorded(かつて記録された最も奇妙な偶然の一致)」[1][2]などと呼ばれている。

話の内容

この都市伝説の基本的な内容は以下のようなものである。

ウェールズ沿岸のメナイ海峡で17世紀から19世紀にかけて、3回にわたり同じような事故が起きた。いずれの事故も、12月5日に発生し、多数の乗員乗客がひとりを除いて全員死亡し、生き残ったひとりの名はヒュー・ウィリアムズだった。

これに加える形で、20世紀以降も含め、また、別の日付や別の場所も含め、ヒュー・ウィリアムズという名前の人物だけが海難事故を生き残った、とするエピソードが付加されることもある[1][2][3]

背景

メナイ海峡

舞台とされるメナイ海峡は、潮汐の関係で座礁事故を起こしやすい難所であり、特に12月を含む冬場は強風のために海難事故が発生しやすい条件があり、実際にも多数の事故が起こっていた[1][2][3]

ありふれた名前

一方、ヒュー・ウィリアムズという名前は、ウェールズ系の男性などにしばしば見受けられる、ありふれたものであった[1][2][3]

起源と普及

この話の起源と考えられる典拠は、1851年に出版されたチャールズ・フレデリック・クリフ (Charles Frederick Cliffe) 著『The book of North Wales』の記述である[1][2][4]

偶然 -- 1664年12月5日、一隻の船がメナイ海峡をわたる途中でひっくり返り、乗り合わせた81人のうち、ひとりだけが救助された。彼の名はヒュー・ウィリアムズだった。1785年の同じ日付に、また別の船が転覆し60人の乗客が、ひとりを除いて溺死したが、一人助かったのはヒュー・ウィリアムズだった。1820年8月5日、3隻目の船が転覆して25人を放り出し、ひとりを除いて全員が溺死したが、そのひとりは、魅力的な名前ヒュー・ウィリアムズをもっていた。さらに、1842年5月20日にも、メナイ海峡をわたる船が、これまでの事故が起きた場所の近くを通っているときに15人の乗客を乗せたまま転覆し、ひとりを除いて全員が死亡したが、このとき生き残ったのはリチャード・トマス (Richard Thomas) という人物であった。

続いて、1860年に出版されたフランシス・コクラン (Francis Coghlan) によるコクランズ・ガイド英語版・シリーズの『Guide to North Wales』に同様の記述が記載されたが、そこには「この極めて例外的な偶然の一致は、この地域にヒュー・ウィリアムズという名前がとても多いという状況によってしか説明できない。(This extra ordinary coincidence can only be explained by the circumstance that the name of Hugh Williams is very common in these parts.)」とも記された[1][2]

この話を広く普及させたのは、アメリカ合衆国のビデオ・シリーズ『Strange as It Seems』のエピソード「The Strangest Coincidence Ever Recorded」であった[2]。そこでは、1977年の『The People's Almanac』に掲載された「歴史上のお気に入りの奇妙な話15 (the 15 favorite oddities of all time)」と題された記事の第1位として、この話を紹介している[2]

脚注

  1. ^ a b c d e f g h Spilman, Rick (2012年7月16日). “The Unsinkable Hugh Williams – Truth Behind the Legend?”. 2016年5月19日閲覧。
  2. ^ a b c d e f g h i The Strangest Coincidence Ever Recorded - Facts Analysis”. Hoax or Fact. 2016年5月19日閲覧。
  3. ^ a b c d Lukach, Mark (2010年12月10日). “HMS Friday: The Legend of Hugh Williams”. The Scuttlefish. 2016年5月19日閲覧。
  4. ^ Charles Frederick Cliffe (1851). The book of North Wales. Hamilton, Adams. p. 155. https://books.google.co.jp/books?redir_esc=y&hl=ja&id=jbYHAAAAQAAJ&q=Hugh+Williams#v=snippet&q=Hugh%20Williams&f=false 2016年5月19日閲覧。. 


このページでは「ウィキペディア」からヒュー・ウィリアムズ (都市伝説)を検索した結果を表示しています。
Weblioに収録されているすべての辞書からヒュー・ウィリアムズ (都市伝説)を検索する場合は、下記のリンクをクリックしてください。
 全ての辞書からヒュー・ウィリアムズ (都市伝説) を検索

英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「ヒュー・ウィリアムズ (都市伝説)」の関連用語

ヒュー・ウィリアムズ (都市伝説)のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



ヒュー・ウィリアムズ (都市伝説)のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのヒュー・ウィリアムズ (都市伝説) (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS