トール・リバティとは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > 百科事典 > トール・リバティの意味・解説 

トール・リバティ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2017/01/04 08:39 UTC 版)

船歴
起工
進水
竣工 1994年
その後
主要目
総トン数 トン
載貨重量トン数 5,932 トン
全長 97 m
16 m
喫水 5.6 m
速力 10.6ノット(平均)
12.4ノット(最大)

トール・リバティMS Thor Liberty)は、デンマークの船会社トルコ・シッピング(Thorco Shipping)社が保有する英国マン島籍の貨物船で、同島のダグラスに母港を置いている[1]

2011年12月13日にドイツエムデン港を発った「トール・リバティ」はフィンランドコトカへ向けて航行中、嵐に遭遇し避難するために水先案内人を要請するもウクライナ人の乗員は付近の海図を所持していなかった。同年12月21日、嵐の一過後に「トール・リバティ」はコトカ港から中華人民共和国上海へ向けて貨物を運び出港しようとしていたが、港内を巡回中のフィンランド交通安全局職員が爆薬に使用されるピクリン酸を発見したため警察に通報、捜索の結果花火と申告されていた積荷からパトリオット・ミサイル69発と160トンの爆発物が発見され防衛関連物資の違法輸出の疑いで捜査が開始され、約30人の船員の身柄が拘束され船長と一等航海士については事件への関与が疑われた。事件発覚当初は武器の第三国への不正輸出として報道された[2][3][4][5][6]

フィンランド国内法に基づけば爆発物については密閉されたコンテナに保管されるところ、中国行きの爆薬がこの規程を守っておらず積荷調査が実施される。ミサイルについてもフィンランド国防省による許可の元、合法な手続きを済ませた武器ならば国内通過できるものの、なぜか爆竹として記録されており不審な点が散見された。フィンランド警察当局は武器の出所や行き先については不明と伝え、トルコ・シッピング社も積荷の内容については知らなかったとしており「極めて特異な事案」として捜査する[7][8]。12月22日、ドイツ連邦国防省は積荷のミサイルが経由地である大韓民国への正規輸出であることを明かす、爆発物については中国行きであったとフィンランド当局は推測する[9][10]

韓国国防省は中古となったパトリオット・ミサイルをドイツ政府から購入しており、事態収拾に向け韓国防衛事業庁とドイツ政府は迅速な行動を開始する。駐独韓国大使館はミサイルの購入手続きは適正であったが、輸送について通関手続きに何らかのミスがあったとしている。12月23日に輸送用コンテナをフィンランドに発送、爆薬を梱包しなおすとし、無事に作業が終了すれば12月26日に出航する予定[11]

脚注

外部リンク




英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

トール・リバティのお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



トール・リバティのページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのトール・リバティ (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS