トリメチルシリル基
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2017/04/11 06:19 UTC 版)
トリメチルシリル基(トリメチルシリルき、trimethylsilyl group)とは、有機化学にあらわれる、3個のメチル基がケイ素に結びついた構造を持つ1価の置換基 (−Si(CH3)3) のこと。有機合成では保護基として用いられる。略して TMS と表される。
天然化合物には、トリメチルシリル基を持つものは発見されていない。
利用
アルコールやフェノール類、カルボン酸など、ヒドロキシ基のためなどで揮発性が低い化合物にトリメチルシリル基を導入すると、その揮発性を高めることができる。ヒドロキシ基 (−OH) に対し、適切なトリメチルシリル化剤を作用させて水素を置き換え、トリメチルシロキシ基 (−OSi(CH3)3) とする。このときの生成物はトリメチルシリルエーテルである。
-
より頑強な保護基が必要な場合は、トリエチルシリル基 (−Si(CH2CH3)3, TES)、tert-ブチルジメチルシリル基 (−Si(CH3)2C(CH3)3, TBDMS or TBS) など、立体障害の高いものが用いられる。
「シリルエーテル」も参照参考文献
- Greene, T. W.; Wuts, P. G. M. Protective Groups in Organic Synthesis, 3rd ed.; Wiley: New York, 1999. ISBN 0-471-16019-9.
- トリメチルシリル基のページへのリンク