トリノ市電8000形電車
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/02/05 10:10 UTC 版)
トリノ市電8000形電車 | |
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8000形(2023年撮影)
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基本情報 | |
製造所 | 日立レール |
製造年 | 2022年 - |
製造数 | 70両(8001 - )(予定) |
運用開始 | 2023年 |
投入先 | トリノ市電 |
主要諸元 | |
編成 | 5車体連接車、片運転台 |
軸配置 | Bo'2'Bo' |
軌間 | 1,445 mm |
電気方式 | 直流600 V (架空電車線方式) |
設計最高速度 | 60 km/h |
編成定員 | 218人(着席36人)(乗客密度6人/m2時) |
車両重量 | 37.655 t |
全長 | 28,000 mm |
全幅 | 2,400 mm |
全高 | 4.135 mm(集電装置含) |
車体高 | 3,480 mm |
床面高さ | 260 - 330 mm(低床率100 %) |
車輪径 | 620 mm |
固定軸距 | 1,800 mm |
主電動機出力 | 130 kw |
出力 | 520 kw |
備考 | 主要数値は[1][2][3][4][5]に基づく。 |
トリノ市電8000形電車(トリノしでん8000がたでんしゃ)は、イタリアの都市・トリノの路面電車(トリノ市電)の車両。日立レールが製造する超低床電車で、2023年から営業運転に用いられている[1][2][3]。
概要
2020年、トリノ市電を運営する鉄道運営会社のグルッポ・トリネーゼ・トラスポルティ(Gruppo Torinese Trasporti S.p.A.、GTT)は、トリノ市電の旧型電車の置き換えや輸送力拡充を目的に、イタリアに工場を有する日立レールとの間に新型路面電車を導入する契約を交わした。これを基に生産が実施されるのが8000形である[1][2][3]。
片運転台式の5車体連接車で、既存の超低床電車(6000形、全長34 m)と比べて全長は28 mと短くなっているが、機器配置の最適化を重視した設計により定員数は2024年時点のトリノ市電に在籍する車両で最大の218人(乗客密度6人/m2時)となっている。車内は床上高さを最大330 mmに抑えた段差が無い低床構造で、車椅子用のフリースペースが2箇所設置されている他、前方車体に一番近い乗降扉付近の座席には盲導犬を始めとした介助犬の待機スペースを備えている。また、車内の空調システムは乗客の健康を守るため高い安全基準を基に設計が行われている。塗装はGTT社が導入する新型バスと同様、トリノ市を代表する青色と黄色を取り入れたデザインとなっている。これらのデザインについてはジウジアーロ・アルキテットゥーラ社(Giugiaro Architettura)が手掛けている[1][2][3][4][5]。
最初の車両は2022年にトリノに到着し、試運転を経た後2023年9月から営業運転を開始した。以降、2026年までに合計70両が導入され、トリノ市電の近代化が図られる事になっている[1][2][3][5]。
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試運転中の8000形(2022年撮影)
脚注
注釈
出典
- ^ a b c d e “日立がイタリアの鉄道運営会社GTT社と新型トラム70編成を供給する包括契約を締結”. 日立製作所 (2020年5月18日). 2025年2月5日閲覧。
- ^ a b c d e “New Hitachi trams in service in Turin”. Sustinable Bus (2023年9月8日). 2025年2月5日閲覧。
- ^ a b c d e Stefano Alfano (2022年6月6日). “Turin is renewing the tram fleet. All the features of the new Hitachi vehicles for GTT (first one now being tested, 70 to come)”. Sustinable Bus. 2025年2月5日閲覧。
- ^ a b Gruppo Torinese Transporti 2024, p. 9.
- ^ a b c Gruppo Torinese Transporti 2024, p. 65.
参考資料
- Gruppo Torinese Transporti (November 2024). Parco Veicoli Schede Tecniche Anno 2024 (PDF) (Report). 2025年2月5日閲覧。
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