デデキントのイータ関数 (デデキントのイータかんすう、英: Dedekind Eta function) は次のような式で定義される関数である[1]。
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ヤコビの三重積の公式により、
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となる。イータ関数は上半平面で正則であり、極も零点も持たない。イータ関数は実軸上に稠密な零点を持つ。
極と零点
であれば
であるから、
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である。従って、イータ関数は上半平面で極も零点も持たない。しかし、
が有理数であれば
であるから、イータ関数は実軸上に稠密な零点を持つ。
テータ関数との関係
イータ関数はテータ関数で表される。オイラーの分割恒等式を用いて
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である。また、
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である。
モジュラー変換
テータ関数の虚数変換式により
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であるが、
が純虚数であれば両辺ともに実数であるから、
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である。また、
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であるから、イータ関数の24乗は重さ12のモジュラー形式である。
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実際、モジュラー判別式
の定数倍と一致する[2]。
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関数等式
イータ関数の24乗は重さ12のモジュラー形式であるから、一般のモジュラー変換については c ≠ 0 のとき、ある1の24乗根
について関数等式
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が成り立つ。
は
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により求められる[3]。ここで
はデデキント和(英語版)
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をあらわす。
出典
- ^ Wolfram Mathworld: Dedekind Eta Function
- ^ Apostol (1990, pp. 50–51, Chapter 3.3)
- ^ Apostol (1990, pp. 51–53, Chapter 3.4)
参考文献