ゼロ除算に基づく誤謬
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/07 02:39 UTC 版)
ゼロ除算を代数学的記述に用いて、例えば以下のように 1 = 2 のような誤った証明を導くことができる。 以下を前提とする。 0 × 1 = 0 {\displaystyle 0\times 1=0\quad } 0 × 2 = 0 {\displaystyle 0\times 2=0\quad } このとき、次が成り立つ。 0 × 1 = 0 × 2 {\displaystyle 0\times 1=0\times 2} 両辺をゼロ除算すると、次のようになる。 1 = 2 {\displaystyle 1=2\quad } この誤謬は、暗黙のうちに 0⁄0 = 1 であるかのように扱っていることから生じる。 上の証明が間違いであることは多くの人が気づくと思われるが、これをもっと巧妙に表現すると間違いを分かりにくくできる。例えば、1 を x と y に置き換え、ゼロを x − y、2 を x + y で置き換える。すると上記の証明は次のようになる。 ( x − y ) x = x 2 − x y = 0 {\displaystyle (x-y)x=x^{2}-xy=0} ( x − y ) ( x + y ) = x 2 − y 2 = 0 {\displaystyle (x-y)(x+y)=x^{2}-y^{2}=0} したがって、 ( x − y ) x = ( x − y ) ( x + y ) {\displaystyle (x-y)x=(x-y)(x+y)} 両辺を x − y で割ると次のようになる。 x = x + y {\displaystyle x=x+y} x = y = 1 であったからこれを代入すると、次のようになる。 1 = 2 {\displaystyle 1=2}
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