セレナード_(ブルッフ)とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > 百科事典 > セレナード_(ブルッフ)の意味・解説 

セレナード (ブルッフ)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/05/03 00:22 UTC 版)

マックス・ブルッフ、下にはサインと彼によるセレナードの旋律がかかれている。

セレナード』(Serenadeイ短調 作品75は、マックス・ブルッフ1899年に作曲したヴァイオリン管弦楽のための協奏的作品

概要

当初ヴァイオリン協奏曲第4番として書かれたものだが、後に題名を《セレナード》に変更する旨をヨーゼフ・ヨアヒム宛ての手紙で告白している。題名に関するブルッフのこのような逡巡はヴァイオリン協奏曲第1番スコットランド幻想曲でも見られたものである。

パブロ・デ・サラサーテによる演奏を念頭において書かれたが、結局サラサーテが取り上げなかったために初演は1901年5月15日パリで、ジョセフ・デブルー(Joseph Débroux)の独奏、カミーユ・シュヴィヤール指揮のラムルー管弦楽団によって行われた。

楽器編成

独奏ヴァイオリン、フルート2、オーボエ2、クラリネット2、ファゴット2、ホルン4、トランペット2、ティンパニ弦五部

楽曲構成

全4楽章からなり、演奏時間は約40分。

  • 第1楽章 Andante con moto 
    イ短調、4/4拍子。自由なソナタ形式。ごく短い導入の後、独奏ヴァイオリンが北欧の民謡から取られた叙情的な第1主題を提示し、舞曲風の第2主題、ヘ長調の歌謡的な第3主題を絡ませながら曲が進む。
  • 第2楽章 Allegro moderato、alla marcia
    ハ長調、4/4拍子。ロンド形式で書かれた、行進曲のリズムによるスケルツォ風の楽章。独奏の重音奏法などの技巧を交えながら、変化に富んだ楽想が提示される。
  • 第3楽章 Notturno 
    ホ長調、3/4拍子。カール・マリア・フォン・ウェーバーの《魔弾の射手》やヴィンチェンツォ・ベッリーニの《ノルマ》などの祈りの場面を思わせる敬虔な雰囲気の中でヴァイオリンが歌う。
  • 第4楽章 Allegro energico e vivace
    イ短調~イ長調、3/8拍子。ロンド形式によるフィナーレ。作曲を依頼したサラサーテにちなみ、スペインの雰囲気が盛り込まれている。全体をセギディーリャのリズムが支配しており、ギターを思わせる弦楽器のピッツィカートも頻出する。最後に第1楽章の冒頭主題が再現され、静かに終わる。

参考文献

外部リンク


「セレナード (ブルッフ)」の例文・使い方・用例・文例

Weblio日本語例文用例辞書はプログラムで機械的に例文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「セレナード_(ブルッフ)」の関連用語

セレナード_(ブルッフ)のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



セレナード_(ブルッフ)のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのセレナード (ブルッフ) (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。
Tanaka Corpusのコンテンツは、特に明示されている場合を除いて、次のライセンスに従います:
 Creative Commons Attribution (CC-BY) 2.0 France.
この対訳データはCreative Commons Attribution 3.0 Unportedでライセンスされています。
浜島書店 Catch a Wave
Copyright © 1995-2025 Hamajima Shoten, Publishers. All rights reserved.
株式会社ベネッセコーポレーション株式会社ベネッセコーポレーション
Copyright © Benesse Holdings, Inc. All rights reserved.
研究社研究社
Copyright (c) 1995-2025 Kenkyusha Co., Ltd. All rights reserved.
日本語WordNet日本語WordNet
日本語ワードネット1.1版 (C) 情報通信研究機構, 2009-2010 License All rights reserved.
WordNet 3.0 Copyright 2006 by Princeton University. All rights reserved. License
日外アソシエーツ株式会社日外アソシエーツ株式会社
Copyright (C) 1994- Nichigai Associates, Inc., All rights reserved.
「斎藤和英大辞典」斎藤秀三郎著、日外アソシエーツ辞書編集部編
EDRDGEDRDG
This page uses the JMdict dictionary files. These files are the property of the Electronic Dictionary Research and Development Group, and are used in conformance with the Group's licence.

©2025 GRAS Group, Inc.RSS