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ジェシー・ヒル

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/09/22 03:37 UTC 版)

ジェシー・ヒル
基本情報
原語名 Jessie Hill
生誕
死没
ジャンル R&B
職業
担当楽器
活動期間 1951年 - 1996年
レーベル
著名な家族
  • トロンボーン・ショーティー
  • ジェイムズ・アンドリューズ
  • トラヴィス・ヒル
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ジェシー・ヒル(Jessie Hill、1932年12月9日 - 1996年9月17日[1])は、アメリカ合衆国R&Bの歌手、ソングライターである。楽曲「Ooh Poo Pah Doo」が最もよく知られている[1][2][3]

来歴

ヒルは1932年12月9日ルイジアナ州ニューオーリンズに生まれた[4]。10代になった頃には、彼は地元のバンドでドラムスを演奏しており、1951年に自身のバンド、ザ・ハウス・ロッカーズを結成した[4]プロフェッサー・ロングヘアヒューイ・"ピアノ"・スミスのドラマーとして活動した後、1958年に彼は新たなメンバーでザ・ハウス・ロッカーズを再度結成し、そこで彼は歌うことに集中することとなった。

「Ooh Poo Pah Doo」の原型となったのは、ビッグ・フォーという名前で知られた地元のピアニストが演奏した曲であった。ヒルがそれに歌詞とメロディーを加え、後になってデイヴ・バーソロミューによるイントロが加わった。ステージでこれを歌うことによって更に磨きがかかり、ヒルはデモ・レコーディングして地元のレーベルに売り込んだ。最終的にコズィモ・マタッサのスタジオでアラン・トゥーサンがプロデュースする形でレコーディングがされたのであった[4]

曲は1960年にミニット・レコードからリリースとなった。「Ooh Poo Pah Doo」はマルディグラ祭の人気曲となり、80万枚を売り上げビルボードのR&Bチャートの3位を記録、ポップ・チャートでも28位となった[1][5][6]。「Ooh Poo Pah Doo」は、シュレルズアイク&ティナ・ターナーを始め100を超えるミュージシャンたちにカバーされている[6]

ヒルのこれに続く楽曲「Whip It On Me」は1960年にビルボードのポップ・チャートで91位となっている[5]。その後彼がニューオーリンズで出したレコードはヒットに恵まれず、彼はカリフォルニアに移住してハロルド・バティストマック・レベナック (ドクター・ジョン)らニューオーリンズ出身のミュージシャンたちと仕事をした。この時期、彼はアイク&ティナ・ターナー、ソニー&シェールウィリー・ネルソンらがレコーディングした楽曲を書いている[1]

ヒルが他のアーティストに提供した楽曲にはドクター・ジョンの「Desitively Bonnaroo」(1974年)[7]シェールの「I Wasn't Ready」(1968年)[8]ディレイニー&ボニーアレサ・フランクリンの「When The Battle Is Over」(1969年/1970年)[9][10]などがある。これらの楽曲はいずれもドクター・ジョンとの共作となっている。

ヒルが1971年にブルー・サム・レコードからリリースしたソロ・アルバムは成功には至らず、彼は飲酒問題も抱えて経済的な困難に陥るようになった。彼のこの問題は1977年にニューオーリンズに戻った後も続き、彼を救済するベネフィット・コンサートも行なわれたものの、公私に渡って運が大きく好転することはなかった[1]

死去

ホルト墓地のヒルの墓

ヒルは1996年9月17日、心不全と腎不全により、ニューオーリンズで死去した。63歳であった[1][11]。彼は、ニューオーリンズの貧困者のための墓であるホルト墓地に埋葬された[6]

親族

ミュージシャンのジェイムズ・アンドリューズとトロンボーン・ショーティー(トロイ・アンドリューズ)兄弟はヒルの孫に当たる。二人はHBOのドラマ・シリーズ「トレメ/ニューオーリンズのキセキ」のエピソード7に揃って出演し、「Ooh Poo Pah Doo」を演奏している[12]。トランペット奏者のトラヴィス・"トランペット・ブラック"・ヒルは、彼の3人目の孫でニューオーリンズで生まれ育ったが、2015年5月4日、ツアー中の東京で28歳で死去している[13]

ディスコグラフィー

[14]

アルバム

アルバム名 レーベル 備考
1971 『Naturally』 Blue Thumb
1978 『You'll Lose A Good Thing』 Crazy Cajun シャーリー&カンパニーとの共作

コンピレーション・アルバム

アルバム名 レーベル 備考
1987 『Y'All Ready Now?』 Charly R&B
『Can't Get Enough (Of That Ooh Poo Pah Doo)』 Bandy

シングル

タイトル チャート
最高位
B面 レーベル 収録アルバム
米ポップ 米R&B
1960 「Ooh Poo Pah Doo Part 1」 28 3 「Ooh Poo Pah Doo Part 2」 Minit
「Whip It On Me」 91 「I Need Your Love」
「Scoop Scoobie Doobie」 「Highhead Blues」
1961 「I Got Mine」 「Oh Me Oh My」
「My Love」 「Oogsey Moo」
「It's My Fault」 「Sweet Jelly Roll」
1962 「Can’t Get Enough (Of That Ooh Poo Pah Doo)」 「The Pot's On A Strike」
1964 「Chip Chop (My Fair Lady)」 「Woodshed」 Downey
「Understanding」 「Down The Street」
「Never Thought」 「T.V. Guide」
1965 「I'm Telling You People」 「If I Am Lucky」 Kerwood
1967 「My Children, My Children」 「Something Ought To Be Done (About You)」 Chess
1969 「Free And Easy」 「Mardi Gras」 Pulsar
1971 「Naturally」 「Livin’ A Lie」 Blue Thumb 「Naturally」

出典

  1. ^ a b c d e f Biography by Jason Ankeny”. AllMusic. 2011年9月2日閲覧。
  2. ^ Paul Du Noyer (2003). The Illustrated Encyclopedia of Music (1st ed.). Fulham, London: Flame Tree Publishing. p. 180. ISBN 1-904041-96-5 
  3. ^ A birthday party for the late New Orleans R&B icon Jessie Hill, at Ooh Poo Pah Doo Bar Monday night”. Nola.com. Times-Picayune (2014年12月9日). 2015年11月2日閲覧。
  4. ^ a b c Colin Larkin, ed (1995). The Guinness Who's Who of Blues (Second ed.). Guinness Publishing. p. 172. ISBN 0-85112-673-1 
  5. ^ a b “Jessie Hill Chart History”. Billboard. オリジナルの2021-01-19時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20210119145038/https://www.billboard.com/music/jessie-hill/chart-history 2025年9月20日閲覧。. 
  6. ^ a b c Jeff Hannusch (2002年2月1日). “Masters Of Louisiana Music: Jessie Hill”. OffBeat magazine website. 2025年9月20日閲覧。
  7. ^ Desitively Bonnaroo - Dr. John”. Allmusic. 2025年9月22日閲覧。
  8. ^ Backstage - Cher”. Allmusic. 2025年9月22日閲覧。
  9. ^ Accept No Substitute - Delaney & Bonnie”. Allmusic. 2025年9月22日閲覧。
  10. ^ Spirit in the Dark”. Allmusic. 2025年9月22日閲覧。
  11. ^ R&B Singing Legend Jessie Hill Is Dead”. Times Picayune (1996年9月24日). 2015年11月2日閲覧。
  12. ^ 'Treme,' Episode 7: Civil Dysfunction Meets Civil Disobedience”. NPR.org (2010年5月24日). 2025年9月20日閲覧。
  13. ^ Alison Fensterstock (2015年5月5日). “Travis 'Trumpet Black' Hill, rising New Orleans trumpeter, has died at 28”. NOLA.com. 2025年9月20日閲覧。
  14. ^ Jessie Hill Discography: Vinyl, CDs, & More”. Discogs. 2025年9月20日閲覧。

外部リンク




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