シャーザダ・ダウード
出典: フリー百科事典『ウィキペディア（Wikipedia）』 (2025/09/13 12:37 UTC 版)
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シャーザダ・ダウード
شہزادہ داؤد
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| 生誕 | 1975年2月12日 パキスタン ラーワルピンディー |
| 死没 | 2023年6月18日（48歳没） 大西洋 |
| 死因 | 潜水艇タイタンの爆縮 |
| 市民権 | |
| 教育 |
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| 職業 |
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| 配偶者 | クリスティン・ダウード |
| 子供 | 2人 |
| 親 | フセイン・ダウード (父) |
| 家族 |
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シャーザダ・ダウード（Shahzada Dawood; شہزادہ داؤد; 1975年2月12日 - 2023年6月18日）は、パキスタン[注釈 1]の実業家、慈善家である。
ダウードは19歳の息子のスールマンとほか3人とともにタイタニック号の残骸の観光ツアー中、乗っていた潜水艇タイタンが爆縮事故を起こしたことで死亡した。
生い立ち
ダウードは1975年2月12日にラーワルピンディーでフセイン・ダウードの長男として生まれた[3][2]。姉妹にアズメ・ダウード（Azmeh Dawood）と慈善活動家のサブリナ・ダウード、兄弟にアブドゥル・サマド・ダウード（Abdul Samad Dawood）がいる[4]。
父方の祖父のアフメド・ダウードは著名なメモン族の実業家であり、家業であるダウード・グループを設立した[5]。ダウードはラホールのアイチソン大学で初期教育を受けた[6]。さらに彼は勉学を続け、バッキンガム大学でLLB、フィラデルフィア大学（現在のトーマス・ジェファーソン大学）で国際繊維マーケティングのMScを取得した[3][7]。
キャリア
ダウードはエングロの副会長であり、ダウード・ヘラクレスの取締役でもあった[8][9]。
ダウードは2003年からエングロの取締役を務め、2021年10月に副会長に就任した。これ以前にはダウード・ヘラクレスの副会長を務めていた[10]。彼は上場企業における繊維、肥料、食品、エネルギー分野での合併や買収を通し、成長の機会を見つけることに投資していた[11]。
2020年、ダウードは世界経済フォーラムからヤング・グローバル・リーダーに選出された[3]。ダウードは2020年に国際連合で科学における女性と女児の国際デーを記念して演説した[12]。
慈善活動
1996年から2023年までダウードは教育に焦点を当てた家族財団であるダウード財団（TDF）の理事を務めていた。TDFはパキスタンにおけるCOVID-19対策のための民間寄付であるフセイン・ダウード・プレッジの調整役を務めていた。彼はパキスタンにおけるパンデミックの影響を受けた人々へのメンタルヘルス支援の提供に注力していた[13][14]。
ダウードはエングロ財団の理事[15]、チャールズ3世設立の慈善団体であるプリンス・トラスト・インターナショナルの国際諮問委員会員[16]、SETI協会の理事でもあった[17]。
私生活
2002年、彼はドイツで生まれ育ったクリスティン・ダウード（Christine Dawood, 旧姓: メッケル《Meckel》, 1975年生）と結婚した。2人はパキスタンとシンガポールで暮らした後、2014年にイギリスに移住した。息子のスールマン（Suleman, 2004年 - 2023年）と娘のアリナ（Alina, 2006年生）がいる[1][18][19][20][21]。
ダウードは2016年に個人投資家プログラムを通してマルタ国籍を取得したと報じられている[2]。
メディア報道によると、ダウードは自然生息地と再生可能エネルギーの研究に強い関心を持っていたとされる[22]。彼は「写真愛好家」と説明され[23]、特に野生生物の写真と様々な自然生息地の探究に情熱を注いでいた[16]。
タイタン号事件と死
ダウードと家族はロンドンの自宅を出発し、カナダへ1か月の旅行に出た。タイタニック号の愛好家で「科学と発見に長年の情熱」を持つダウードは[24]、父の日の週末に自分と妻クリスティンのために潜水艇タイタンに乗船し、タイタニック号の残骸を観光するためのチケットを予約した[22]。クリスティンはその後、チケットを19歳の息子のスールマンに譲った[25]。旅行者を水深3,800メートル（12,500フィート）まで連れて行くと予想されていた潜水は[26]、2023年6月23日の朝に始まり、8時間続くと考えられていた[2]。潜水開始から約1時間45分後、タイタン号は水上船ポーラー・プリンス号との連絡が途絶えた[1][27][28]。捜索救助活動にはアメリカ合衆国、カナダ、フランスの海洋および航空支援が投入された[29]。
2023年6月22日、アメリカ沿岸警備隊]はタイタニック号の船首から約1,600フィート（500メートル）の地点でタイタン号の残骸とみられるものを発見したことを発表し、ダウード父子を含むタイタン号の乗船者5人全員が即死したと結論づけた[30][31][32]。
脚注
参考文献
- ^ a b c d “Hamish Harding, Shahzada Dawood and son Suleman: Who is on board Titanic sub?”. BBC News. (2023年6月19日). オリジナルの2023年6月20日時点におけるアーカイブ。 2023年6月21日閲覧。
- ^ a b c d e Borg, Bertrand (2023年6月21日). “Billionaire aboard missing Titanic sub is a Maltese citizen”. Times of Malta. オリジナルの2023年6月21日時点におけるアーカイブ。 2023年6月22日閲覧。
- ^ a b c “Shahzada Dawood, Executive, 48, and Son, 19, Die Aboard Submersible”. The New York Times (2023年6月22日). 2023年6月23日時点のオリジナルよりアーカイブ。2025年9月13日閲覧。
- ^ “Video Titan victim's deaths 'brought the world together,' uncle says” (英語). ABC News. 2023年6月25日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年6月25日閲覧。
- ^ Khalid, Hanif (2023年6月23日). “Who are the Dawoods?” (英語). The News International 2023年7月22日閲覧。
- ^ “News and Events - Aitchison College”. www.aitchison.edu.pk. 2025年9月13日閲覧。
- ^ “Shahzada Dawood Vice Chairman”. Engro, board of directors & committees. Engro Corporation Limited (2018年5月29日). 2023年6月26日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年6月23日閲覧。
- ^ “Shahzada Dawood - Director at Dawood Hercules Corporation Ltd based in Karachi” (英語). THE ORG. 2023年6月20日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年6月20日閲覧。
- ^ Pathak, Trisha (2023年6月23日). “Who is Shahzada Dawood? One of Pakistan's wealthiest men on board the missing Titanic submersible” (英語). WION. 2023年6月20日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年6月20日閲覧。
- ^ “Engro Corporation 1H 2021 Results”. Governance Matters. Engro Corp (2021年8月24日). 2023年6月20日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年6月22日閲覧。
- ^ “Shahzada Dawood”. World Economic Forum. 2023年6月20日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年6月21日閲覧。
- ^ “Shahzada Dawood Speech UNHQ 11-02-2020”. Youtube (2020年3月). 2023年6月22日閲覧。
- ^ “Two charities to provide mental health support to people hit by Covid-19”. Dawn. (2020年6月17日). オリジナルの2023年6月21日時点におけるアーカイブ。 2023年6月21日閲覧。
- ^ “Titanic tourist sub: Who is Shahzada Dawood?” (英語). Samaa. (2023年6月21日). オリジナルの2023年6月22日時点におけるアーカイブ。 2023年6月22日閲覧。
- ^ “Who we are”. Engro Foundation (2017年10月2日). 2023年6月21日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年6月21日閲覧。
- ^ a b Bubola, Emma (2023年6月20日). “Two of the Passengers Are a Prominent Businessman and His 19-Year-Old Son”. The New York Times. 2023年6月20日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年6月20日閲覧。
- ^ “Shahzada Dawood” (英語). SETI Institute. 2023年6月20日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年6月20日閲覧。
- ^ Saunders, Angel (2024年1月13日). “Widow of Titanic Sub Victims Remembers Son Ahead of 19th Birthday”. People 2024年12月7日閲覧. "Her daughter Alina was 17 when the incident happened." [...] "Christine said she chose to do the interview because Suleman's birthday is coming up on Jan. 15 and she wants to remember him."
- ^ “Christine Dawood's BBC interview in full”. BBC News. (2023年6月26日). オリジナルの2023年6月26日時点におけるアーカイブ。 2023年6月26日閲覧。
- ^ “Next Step Now - Meet Christine” (英語). nextstepnow.com. 2023年8月11日閲覧。
- ^ “Christine Dawood bangt um ihren Mann und Sohn an Bord der "Titan" (Stern+)” (2023年6月22日). 2025年9月13日閲覧。
- ^ a b Haroun, Azmi. “Shahzada Dawood and his son Suleman are on the missing Titanic submersible. They're from one of Pakistan's richest families.”. Insider 2023年6月21日閲覧。
- ^ “Family awaits word amid massive search for missing 'Titanic sub'” (英語). Dawn. (2023年6月21日). オリジナルの2023年6月21日時点におけるアーカイブ。 2023年6月21日閲覧。
- ^ Bubola, Emma (2023年6月21日). “Shahzada and Suleman Dawood, Father-Son Passengers, Love Science Fiction and Travel”. The New York Times. オリジナルの2023年6月22日時点におけるアーカイブ。 2023年6月22日閲覧。
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- ^ Noyce, Eleano (2023年6月21日). “Who is Shahzada Dawood? The Pakistani businessman lost at sea in Titanic submarine with teenage son” (英語). The Independent. オリジナルの2023年6月21日時点におけるアーカイブ。 2023年6月21日閲覧。
- ^ “Titanic sub timeline: when did it go missing and key events in search” (英語). Reuters. (2023年6月21日). オリジナルの2023年6月22日時点におけるアーカイブ。 2023年6月21日閲覧。
- ^ Lough, Catherine (2023年6月20日). “Shahzada Dawood: One of Pakistan's richest men trapped on board with 19-year-old son” (英語). The Telegraph. ISSN 0307-1235. オリジナルの2023年6月20日時点におけるアーカイブ。 2023年6月20日閲覧。
- ^ Henley, Jon (2023年6月21日). “Titanic sub live updates: vessel may have less than 20 hours of oxygen left, says US Coast Guard, as search continues”. The Guardian 2023年6月21日閲覧。
- ^ “Titan sub: crew have died after catastrophic loss of pressure chamber, US Coast Guard confirms – latest updates”. The Guardian. (2023年6月22日). オリジナルの2023年6月22日時点におけるアーカイブ。 2023年6月22日閲覧。
- ^ “OceanGate says it believes individuals on missing sub 'have sadly been lost'”. CNN (2023年6月22日). 2023年6月22日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年6月22日閲覧。
- ^ Patil, Anushka (2023年6月22日). “The debris found today was "consistent with catastrophic loss of the pressure chamber" in the submersible, Mauger said.”. The New York Times. 2023年6月22日閲覧。
関連項目
- 解決済みの行方不明事件一覧: 2020年代
| 全般 | |
|---|---|
| 国立図書館 | |
- シャーザダ・ダウードのページへのリンク
