カラテオドリの定理_(凸包)とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > 百科事典 > カラテオドリの定理_(凸包)の意味・解説 

カラテオドリの定理 (凸包)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/04/17 15:22 UTC 版)

R2 内の正方形に対するカラテオドリの定理の描画例

数学凸幾何学英語版の分野におけるカラテオドリの定理(カラテオドリのていり、: Carathéodory's theorem)とは、Rd 内の点 x がある集合 P凸包に属するなら、d + 1 個あるいはそれ以下の個数の点からなる P の部分集合 P′ で、x がその凸包に属するようなものが存在する。また同値であるが、 に対し、xP 内の頂点の r-単体に属する。1911年に、P がコンパクトである場合の証明を与えたコンスタンティン・カラテオドリの名にちなむ。1914年には、エルンスト・スタイニッツ英語版がその定理を Rd 内の任意の集合 P に対して拡張した。

例えば、R2 の部分集合である P = {(0,0), (0,1), (1,0), (1,1)} を考える。この集合の凸包は正方形である。今、P の凸包に属する点 x = (1/4, 1/4) を考える。このとき、凸包が三角形であるような集合 {(0,0),(0,1),(1,0)} = P′ を構成すると、x はその中に属し、|P′| = 3 であるために定理が成立する一例となる。2次元の場合は、この例のように P 内の任意の点を囲む三角形を P の点から構成することが出来るので、カラテオドリの定理を図として可視化する試みは有用となる。

証明

xP の凸包に属する点とする。このとき xP 内の有限個の点の凸結合である。すなわち

と書ける。但し xj はすべて P に属し、λj はすべて非負であり、 である。

k > d + 1 を仮定する(そうでない場合は証明する必要がない)。このとき、点 x2 − x1, ..., xk − x1線型従属であるので、ゼロでないものがある実スカラー μ2, ..., μk に対して

が成り立つ。μ1

のように定義されるなら、

となり、この μj のすべてがゼロになることはない。したがって、少なくとも一つ μj > 0 となるものがある、このとき、任意の実数 α に対して

が成り立つ。特に、等号は α が次のように定義されたときに成り立つ。

ここで α>0 であり、1 と k の間のすべての j に対して

であることに注意されたい。特に α の定義から λi − αμi = 0 である。したがって

が成り立つ。但しすべての は非負で、それらの和は 1 で、 である。言い換えると、x は高々 k-1 個の P の点の凸結合として表現される。この過程を x が高々 d + 1 個の P の点の凸結合として表現されるまで繰り返せばよい。

またこの他の証明ではヘリーの定理が用いられる。

関連項目

参考文献

外部リンク




英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「カラテオドリの定理_(凸包)」の関連用語

カラテオドリの定理_(凸包)のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



カラテオドリの定理_(凸包)のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのカラテオドリの定理 (凸包) (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS