エアスピード ホルサとは? わかりやすく解説

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エアスピード ホルサ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/07/06 16:13 UTC 版)

エアスピード ホルサ

エアスピード AS.51 ホルサ

エアスピード ホルサ(Airspeed Horsa)は、イギリス航空機メーカーであるエアスピード社英語版により第二次世界大戦中に製造された兵員輸送軍用グライダーである[1]。ホルサという名前は、5世紀イギリス南部の征服者ホルサに因んで付けられた。ホーザとも表記される[2]

イギリス空軍最初の本格的な輸送用グライダーである[3]。1940年に航空省からの要求で開発が開始され、1941年9月12日に試作1号機が初飛行した[1]。全木製の大型グライダーで、2名の乗員以外に最大25名の完全武装兵士、もしくはかなりの貨物を搭載可能であった[2]。側面に乗降扉のあるMk.I型が2,231機、機首部がヒンジ止めになっており、軽車両の乗降が可能になったMk.II型が1,560機製造されている[1][注釈 1]

作戦時には、スターリングハリファックスのような爆撃機に曳航されることが多かった[3]。着陸装置は3輪式で、離陸直後に機体中央部の主輪2つを離脱し、着陸の際は前輪と胴体下部の緩衝装置を使った[2]。優秀な機体であり、アメリカ軍でも使用された[2]

1942年11月に行われたノルウェーの重水工場襲撃が初陣で、その後シチリア島進攻ノルマンディー上陸アルンヘイム作戦など大戦最後の2年間の大作戦に参加している[2][3][注釈 2]。最後に使用されたのは1945年のライン川渡河作戦であり、440機が投入されている[2]

性能

  • 乗員:2名[1]
  • 兵員:25名[2]
  • 全長:20.42m[1]
  • スパン:26.82m[1]
  • 全高:5.94m[3]
  • 翼面積:106.7m²
  • 空虚重量:3,400kg
  • 全備重量:7,031kg[1]
  • 翼面荷重:64.8kg/m²
  • 最高速度:241km/h(曳航時)、161km/h(降下時)[1]

脚注

注釈

  1. ^ 総生産数3,655機とする資料もある[2]
  2. ^ 初陣は1943年7月のシチリア島上陸だとする資料もある[1]

出典

  1. ^ a b c d e f g h i 後藤ほか 2004, p. 176.
  2. ^ a b c d e f g h Angelucci & Matricardi 1981, p. 76.
  3. ^ a b c d 古田 2022, p. 295.

参考文献

  • Enzo Angelucci、Paolo Matricardi『万有ガイド・シリーズ4 航空機 第二次大戦1』小学館、1981年9月。doi:10.11501/12672709 
  • 後藤仁ほか『航空機名鑑 1939〜45』株式会社 光栄、2004年3月24日。ISBN 4-7758-0160-0 
  • 古田和輝『世界の戦闘機図鑑 1915-1945』株式会社ダイアプレス、2022年4月1日。 




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