ウルリヒ・クリッシュとは? わかりやすく解説

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ウルリヒ・クリッシュ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/09/19 04:12 UTC 版)

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ウルリヒ・クリッシュドイツ語: Ulrich Kulisch1933年 - )はドイツの数学者。専門は数値解析であり、区間演算の実装などを行っている。

経歴

Freisingにある高校を卒業した後、ルートヴィヒ・マクシミリアン大学ミュンヘンミュンヘン工科大学で数学を学び、1961年にJosef Heinholdの指導の下で学位を取得した[1]。学位取得後、1964年から1966年にかけてルートヴィヒ・マクシミリアン大学ミュンヘンで教鞭をとり、1966年からカールスルーエ工科大学応用数理学科でディレクターと教授を兼任している。

研究者だった間、クリッシュは海外でのサバティカル休暇をいくつも経験した。彼は1969/1970年には Ramon E. Mooreの下でウィスコンシン大学マディソン校の数学研究センターに滞在し、1972/1973年と1978/1979年にはIBMトーマス・J・ワトソン研究所で Willard L. Miranker (1932–2011)と共に研究したほか、1998年と1999/2000年には筑波大学に滞在した[2]

クリッシュは1960年代のドイツにおける区間演算の先駆者であり、Karl NickelとFritz Krückebergと共に分野の創成を手助けした。彼のコンピュータによる区間演算の実装は1960年代にAlgolを使って始められた。クリッシュは Nixdorf コンピュータ (Pascal-XSC など), IBM (Acrithと Acrith-XSC) and Siemens (プログラムパッケージ Arithmos)などを含む自動的結果証明を伴うソフトウェアを開発した。カールスルーエ工科大学ではC-XSCと付随するライブラリを開発した。1993/1994年にはXPA3233のハードウェア実装に携わった。

彼はGesellschaft für Angewandte Mathematik und Mechanik (GAMM)コンピュータ数学及び科学計算委員会とIMACS(数学及びコンピュータシミュレーション国際学会)強化コンピュータ計算技術委員会の座長を務め、1979年度の情報処理国際連合ワーキンググループ2.5(数値ソフトウェア)のドイツ代表メンバー(1980年以降からメンバーになっている)を務めている。区間演算のためのIEEE規格委員会P1788にも携わっている。

1975-1988年にはJahrbuchs Überblicke Mathematikの編集者を務めた。

著書

  • W. L. Miranker (editor)と共著: A New Approach to Scientific Computation, Academic Press, New York, 1983.
  • W. L. Mirankerと共著: "The arithmetic of the digital computer: a new approach", SIAM Rev. 28 (1986) 1–40.
  • H.J. Stetter (editor)と共著, "Scientific Computation with Automatic Result Verification", Computing Supplementum, volume 6, Springer, Wien, 1988.
  • W. L. Mirankerと共著: Computer Arithmetic in Theory and Practice, Academic Press 1981.
  • R. Hammer, M. Hocks, D. Ratzと共著: C++ Toolbox for Verified Computing, Springer 1995.
  • Advanced Arithmetic for the Digital Computer – Design of Arithmetic Units, Springer-Verlag 2002.
  • Computer Arithmetic and Validity – Theory, Implementation, and Applications, de Gruyter 2008, 2nd edition, 2013.

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