アリタリア航空112便墜落事故とは? わかりやすく解説

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アリタリア航空112便墜落事故

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/18 14:35 UTC 版)

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アリタリア航空 112便
事故機の尾部
事故の概要
日付 1972年5月5日
概要 CFITパイロットエラー
現場 イタリア パレルモ県モンターニャ・ロンガイタリア語版[注釈 1]
乗客数 108
乗員数 7
負傷者数 0
死者数 115 (全員)
生存者数 0
機種 ダグラス DC-8-43
運用者 アリタリア航空
機体記号 I-DIWB
出発地 フィウミチーノ空港
目的地 パレルモ国際空港
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アリタリア航空112便墜落事故は、1972年5月5日にイタリア・シチリア島で発生した航空事故。ローマフィウミチーノ空港パレルモ国際空港[注釈 2]行のアリタリア航空112便(ダグラス DC-8-43)が、パレルモ国際空港の南西5キロ地点に墜落し、乗員乗客115人全員が死亡した[1]。この事故は、イタリアで発生した単独機の事故としては最悪で、イタリアの航空史上リナーテ空港事故(2001年)に次いで死者の多い事故である[2][3]

事故機

同型機のDC-8

事故機のダグラス DC-8-43(I-DIWB)は、4基のロールス・ロイス コンウェイ 508-12エンジンを搭載しており、初飛行を1961年に行っていた[1]

事故の経緯

中央ヨーロッパ夏時間20時35分、112便はフィウミチーノ空港を定刻より25分遅れて離陸した[4]。22時18分、パイロットはパレルモ進入管制と交信した。その3分後、パイロットはグライドパスについて報告した。事故当時は視程が5kmで、雲底は1,500フィート (460 m)だった[5]

22時23分、112便はモンターニャ・ロンガイタリア語版の山頂から300フィート (91 m)ほど下の、標高1,980フィート (600 m) 付近に墜落した[6]。衝突後、主翼やエンジンが脱落し、分解しながら山を滑っていった[7]

事故原因

112便の事故現場

公式の報告書では事故原因は、明らかにされなかった。最も事故原因の可能性として高いものはマニュアルに従わなかったためのCFITだとされた。また、報告書ではパイロットが酔っていた可能性が示唆されたが、後に否定された[4][8][9]。パイロットが進入を開始するタイミングが通常よりも早すぎたため、最低降下高度以下まで降下した[5]

一部ではテロ攻撃や撃墜による墜落ではないかという仮説が立てられた。しかし、事故現場や残骸の状況からこれらの説は否定された[4][10]

ギャラリー

脚注

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注釈

  1. ^ 行政上はチーニジカリーニの市域にまたがる。
  2. ^ 別名プンタ・ライシ空港。1992年にファルコーネ-ボルセリーノ空港と改称された。

出典

  1. ^ a b Aircraft accident Duglas DC-8-43 Flight 112”. Aviation Safety Network. 2018年5月12日閲覧。
  2. ^ Italy air safety profile”. Aviation Safety Network. 2020年9月20日閲覧。
  3. ^ Human error blamed for Milan crash”. CNN. 2020年9月20日閲覧。
  4. ^ a b c La strage di Montagna Longa: 115 vittime e nessuna verità ufficiale. Quarta e ultima parte”. Cronaca-Nera.it (2012年8月27日). 2014年8月21日閲覧。
  5. ^ a b CRASH OF A DOUGLAS DC-8-43 IN PALERMO: 115 KILLED”. Bureau of Aircraft Accidents Archives. 2020年9月20日閲覧。
  6. ^ The Lowell Press. "Italy Jet Crash Kills 115." 9 May 1972.
  7. ^ La strage di Montagna Longa: 115 vittime e nessuna verità ufficiale. Terza parte.”. Cronaca-Nera.it (2012年8月9日). 2014年8月21日閲覧。
  8. ^ La strage di Montagna Longa: 115 vittime e nessuna verità ufficiale. Seconda Parte”. Cronaca-Nera.it (2012年6月11日). 2014年8月21日閲覧。
  9. ^ Joint Safety Implementation Team (JSIT) (29 February 2000). Safer Skies: A Focused Safety Agenda. FAA. p. 4. オリジナルの2006年10月1日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20061001180003/http://www.faa.gov/safety/programs_initiatives/pilot_safety/safer_skies/gajsc/gajsc_documents/media/cfit.pdf. 
  10. ^ La strage di Montagna Longa: 115 vittime e nessuna verità ufficiale. Prima parte.”. Cronaca-Nera.it (2012年5月23日). 2014年8月21日閲覧。



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