アエロフロート航空217便墜落事故とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > 百科事典 > アエロフロート航空217便墜落事故の意味・解説 

アエロフロート航空217便墜落事故

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/07/20 14:59 UTC 版)

アエロフロート航空217便墜落事故
事故機の同型機
事故の概要
日付 1972年10月13日 (1972-10-13)
概要 不明(乗務員の心神喪失、または機械的故障の可能性)
現場 シェレメーチエヴォ国際空港付近
乗客数 164
乗員数 10
負傷者数 0
死者数 174 (全員)
生存者数 0
機種 Il-62
運用者 アエロフロート航空
機体記号 CCCP-86671
出発地 パリ=オルリー空港
経由地 ショセナヤ空港
目的地 シェレメーチエヴォ国際空港
テンプレートを表示

アエロフロート航空217便墜落事故(アエロフロートこうくう217びんついらくじこ)とは、1972年10月13日にロシアのシェレメーチェボ国際空港近郊で発生した航空事故である。乗客164人と乗員10人の合わせて174人全員が死亡した。

事故の概要

アエロフロート217便は、パリのオルリー空港を出発後、ソ連のレニングラード(現在のサンクトペテルブルク)のショセナヤ空港(現在のプルコヴォ空港)を経由し、モスクワシェレメーチェボ国際空港へ向かう非定期旅客便であった[1]

1972年10月13日の217便は、イリューシンIl-62型機で運航され、乗客164人と乗員10人が搭乗していた[1]

217便は、レニングラードを20時59分に離陸し、シェレメーチェボ空港へ向かった[1]。事故当時の空港の天候は、曇りで雲底高度が100メートル、霞と濃霧のため視程は約1.5キロメートル、風は穏やかでタービュランスは報告されていなかった[2]

シェレメーチェボ空港への進入中に、217便は一旦降下率を緩めて高度1,200メートルに達しつつあると管制に報告した[2]。管制から400メートルまで降下するよう指示があり、217便は降下率を上げた[1][2]場周経路に入った後も降下率を緩めず、高度400メートル以下になっても降下を続け対気速度620 km/hまで増速した[1][2]。217便は、高揚力装置を展開したり降着装置を下ろすことなく、巡航飛行の形態のまま、空港の北側約11キロメートルの地点に墜落した[1][2]

この事故で搭乗者全員174人が死亡した[1]。死亡者の国籍は118人のロシア人、38人のチリ人、6人のアルジェリア人、1人の東ドイツ人、1人のオーストラリア人であった。この事故は、1973年にカノ航空惨事が起きるまで、世界で最も悲惨な航空災害であった。

原因

墜落の原因は明確にはなっていない[2][1]。事故調査報告書において、なんらかの理由で乗員が心神喪失状態に陥った可能性が指摘されている[3][2]

脚注

  1. ^ a b c d e f g h ASN Aircraft accident Ilyushin Il-62 CCCP-86671 Moskva-Sheremetyevo Airport (SVO)”. Aviation Safety Network. 2019年5月4日閲覧。
  2. ^ a b c d e f g ゲロー, デイビッド (1997), 航空事故 : 人類は航空事故から何を学んできたか?, 清水保俊(訳) (増改訂 ed.), イカロス出版, ISBN 4-87149-099-8 
  3. ^ Катастрофа Ил-62 ЦУМВС в районе озера Нерское (борт СССР-86671), 13 октября 1972” (Russian). airdisaster.ru. 2012年8月26日閲覧。



英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「アエロフロート航空217便墜落事故」の関連用語

アエロフロート航空217便墜落事故のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



アエロフロート航空217便墜落事故のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのアエロフロート航空217便墜落事故 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2024 GRAS Group, Inc.RSS